検索窓
今日:5 hit、昨日:4 hit、合計:51,086 hit

水族館 ページ32

A「…」


向井「…」








子供のようにガラスに張り付いているAの目線の先には、ペンギンの群れ。



水に飛び込む度に、Aは小さく声を上げていた。



こうなり始めて約15分。








向井「(長いなぁ。)」








Aから「水族館に行きたい。」と可愛くおねだりされて連れてきたはいいものの、軽く放置されている俺。



そんな俺に見向きもしない。








向井「A、何見とるん?」


A「ペンギンー。」


向井「いや、そうなんやけど。」


A「んー…」








会話ができんっ!



せっかくのデートだから、見るものとか凄いと思ったものとか、色々共有したいねんけど…



とりあえず隣に立って、Aの目線の先をさらに細かく辿った。








向井「…あ。」








自分よりも大きな子供に寄り添う2羽のペンギン。



それは紛れもなく、家族ペンギンだ。








向井「…」








それをAは、羨ましそうに見つめていた。








A「…あれ、15分も経ってたんだ。」


向井「…うん。」


A「よし、次はチンアナゴ!」








意気揚々と歩き出すA。



咄嗟に引き止め、手を繋いだ。








A「ちょっと、撮られたらどうすんの。」


向井「大丈夫やて、水族館暗いから。」


A「保証は出来ないでしょ?」


向井「嬉しそうやで?」


A「…う、れいしいけど!」








ペンギン以降、Aはガラスに張り付くことはなかった。








A「可愛いなぁ〜。」


向井「A、子供何人欲しい?」


A「…っへ?」


向井「俺はなぁ、男の子3人と、女の子2人!」


A「…」


向井「あっ、でもあれや。もし彼氏とか出来たらショックやな…A取られちゃったら俺嫉妬するかも知らん、子供相手に。」








今の俺では与えることが出来ないものを羨ましそうに見つめていたAに、こうして将来の約束しか出来ないのがつらい。



でも、Aは嬉しそうに顔をほころばせ、手を握り返してくれた。








A「5人も産んだらお腹裂けちゃうよ。」


向井「えっ、限界あるん!?」


A「ないけど!私は男の子と女の子1人ずつがいいなぁ。」


向井「たしかに、その方が安全やな!俺の心が!」


A「なにそれ。」








それが本当になるのが何年後かなんてわからないけど。



今は2人で同じ未来を見つめることが出来るだけで満足、ってことにしとこ。

新作→←・



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (98 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
193人がお気に入り
設定タグ:SnowMan , 向井康二
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

桜海(プロフ) - 楓さん» ありがとうございます! (2020年7月22日 8時) (レス) id: 7eb27f355d (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - とても面白かったです!!!次の作品もたのしみです。 (2020年7月22日 1時) (レス) id: a54334f665 (このIDを非表示/違反報告)
桜海(プロフ) - かなさん» コメントありがとうございます!楽しく見てくださっているのなら幸いです。これからもよろしくお願いします! (2020年6月18日 22時) (レス) id: 7eb27f355d (このIDを非表示/違反報告)
かな(プロフ) - パパのセコム入りますも好きですし不倫報道ってあの人のことなのかなとか面白かったです!更新楽しみにしています! (2020年6月18日 18時) (レス) id: cf09c904b0 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:桜海 | 作成日時:2020年6月11日 23時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。