晨光

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朝目が覚めると、いつも通りの天井が見えた。



寝起きでも、昨日の記憶は鮮明に覚えている。








向井『これからもよろしゅうな、A。』








あの後向井は心配だからと部屋の中に入ってきて、居座り始めた。



そう、向井はそういうやつ。



困っている人を放っておけない、すごく優しいヤツ。



こんなめんどくさい女を好きになってしまう馬鹿なヤツ。








A「…」








リビングに行けば、床で小さなブランケットを被って寝ている向井。



ジャニーズなんだから、女の家に泊まるとかどうなの。



って言いたいけど、こんなに心配してくれるのは正直嬉しかった。








A「…うん。がんばろ。」








普段はあまりしない料理も、お礼も兼ねてやってやろうじゃないか。



向井が目を覚ましたのは、そう意気込んでからそう時間が経たないうちだった。








向井「…ぁれ…？」


A「おはよ。」


向井「…！？…！？！？」


A「推しの寝起き最高だわ。推ししか勝たんましで。」








いつもの調子で話せば、向井も少し落ち着いたらしい。



欠伸をする姿が微笑ましい。








A「アイドルがなんつー顔してんの。早く顔洗ってきて！」


向井「は、はい！」








ドタバタと支度をして行儀よくテーブルの前に座る向井。



焼いたトーストと目玉焼き。



たったそれだけの料理が、今はどんなものよりも豪華に見えた。









A「元彼が浮気したのも、私のこの問題が原因だったんだよね。今までもそうだった。」








初めて自分から話す自分のこと。



向井の前では言えなかったのに、今ではスラスラと出てくる。



やっぱ凄いな、この関西人は。








A「向井となら、大丈夫な気がしてる。」


向井「…A。徐々に慣れてけばええよ。」


A「…うん。」


向井「せやから、俺と付き合ってくれへん？」


A「…」








はいかYESかOKか。



さて、どれにしようか。

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