溺れて、みずうみに (ページ48)

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「私、亮平と付き合った。」

亮平を仕事へ見送り一人暮らしの家に帰った私は母に連絡をした。

「本気なの？」

「うん。やっぱり亮平が好きだから、彼を支えたいと思った。頑張るよ、私。」

そう宣言すると、母は大きなため息をついて、「幸せにね。」と言ってくれた。

なんか結婚するみたいな言われ方で照れた私に、母は追い打ちをかけるように様々な弄りをしてきた。

今までの人生の中で、1番母と話したかもしれない。

部屋を少し片付けてから少し昼寝をして、夜ご飯の準備に取り掛かる。

冷蔵庫を見るけど、あまり作れそうなものは無い。

「…まじか…」

たしかに最近ストーカー騒ぎやらなんやらで実家帰ってたし、食材あるわけがなかった。

これは買いに行かないとまずい。

私は財布とスマホを持って外に出た。

「ねー、昨日のSnow Man見たー？」

「見た見た！やばかったよね～！」

「しょっぴーの歌声はまじで国宝。」

「阿部ちゃんもあざとくてまじ可愛かった！あべさく神。」

通りかかる女の子たちの会話。

ふふふ、私はそんな阿部ちゃんの彼女なんですよ。

と、心の中で自慢すると同時に、気を引き締めた。