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次の日、彼の熱は何もなかったかのようにしっかりと下がっていた。



彼曰く「Aに振られたショックで出た熱だから、付き合えた今はなんの関係もない。」らしい。



随分単純で都合のいい体だこと。



おかげで次の日も看病する気で取った休みは無駄になった。








「焼いただけのパンなのに凄い美味しい。今までで1番美味しいかも。」

「なにそれ、昨日のお粥は?」

「あっ、いや、それはなんというか…殿堂入り?」

「…あーそーですか、そーですか。」

「ああああ、Aごめん!」

「せっかく夢叶えてあげたのに…」

「え?…もしかして、雑誌のインタビュー見てくれてたの?」

「もういい。」

「ねぇごめんって〜、機嫌直してよ!」








仕事に行くまでの短い時間で色々なことを話した。



お互い会わない間に何をしてたとか、大学の頃の思い出話とか。



そして今さらLINEを交換した。








「すっかり忘れてた…LINE、そういえばあったね。」

「まぁどこから情報が漏れるかわからないし、あまり使わないようにしよっか。」

「そうだね。」

「残念そうだね。」

「うん、ちょっと寂しいかも。」

「電話できるし、今日の夜も会う約束したんだから、我慢してください。」

「うん…」

「あ、亮平、そろそろ出ないといけない時間だよ?」

「…」

「?亮平?」

「…俺、仕事行きたくないと思ったの初めてかも…」

「はよ行け。」








そう言うと、しぶしぶだったけど彼は仕事に行く準備をし始めた。



食べ終わった皿を片付けてあげると、カシャ、とシャッター音が聞こえる。



亮平の方を見ると、少し焦った顔をしてスマホを私に向けていた。








「あっ…ごめん。」

「亮平…」

「いや、仕事中に寂しくなったら見たいな、と思って…」

「…だったら、2人で撮ればいいでしょ?」

「えっ。」

「本当はあまり撮らない方がいいんだろうけど…1枚くらい私も欲しいし。」








亮平は嬉しそうに私の隣に並んだ。



亮平のスマホに映る私たちの笑顔は最高に幸せそうだ。

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作者名:桜海 | 作成日時:2020年5月28日 23時

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