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次の日、亮平に言われた通り警察に行くと、すごく親身に話を聞いてくれて、対策も考えてくれた。
もっと早く相談していればよかった。
とりあえずしばらくは実家で過ごした方がいいということで、一時的に引っ越すことになった。
「俺も戻ってこようかなぁ。」
「お兄がいたら毎日楽しいね。」
「おっしゃ母さん俺ちょっくら荷物もってくるわ。」
猛スピードで出かける兄には目もくれず、母は真剣な表情で私を見ていた。
「お母さん?」
「A。昨日の男の子は?」
「え?」
「前に言ってた大学時代のお友達?」
亮平のことを言っているんだな、とわかって、私は頷いた。
さらに眉間にシワを寄せる母に首を傾げた。
「彼、ジャニーズの子なんですってね。」
体の血の気が引くのがわかった。
手元の母のスマホには、Snow ManのYouTubeの動画が映っていた。
「あれからAのやる事にはあまり口を出さないようにしてきたけど、こういうのはしっかり考えなきゃダメよ。」
「…」
「バレたのがお母さんだったから良かったけど、今後もしまた何かあったとして、それが赤の他人に見つかって写真でも取られたりしたら、困るのは彼なのよ。」
「…わかってる。」
「わかってるならちゃんと考えなさい。貴方が彼の人生を壊す可能性だってあるのよ。」
その言葉が、いつまで経っても頭から離れなかった。
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作者名:桜海 | 作成日時:2020年5月28日 23時