【HQ!!】陽キャとイケメンが嫌いな高校生【男主】

34話 ページ35

及川｢じゃ、俺らも試合あるからまたね。えーっと…｣



え、名前言わなきゃいけないやつ…？



『…く、ろさき…』

及川｢下の名前は？｣



何で言わなきゃなんだよ！！！



『……A、です…』

及川｢Aくんね！またね！｣



またなんてねぇよ！！！



国見｢…やっぱり霧川中の奴じゃん。｣



名前言わなきゃ良かった！！！

イケメンの団体は去っていった。

……イケメン怖ぇよ…

その後の烏野の試合、伊達工との試合も見て、烏野が勝ったことを確認して俺はすぐさま帰った。

あそこの空気は好きじゃない。

全員本気だった。

無理無理、気持ち悪い。



｢あ、黒崎！！｣

『ッ！！！』

｢相変わらずビビりなの変わってねぇなぁ！！｣

『……あ、相…田……』



会場を出ると元同中のバレー部のセッターがいた。

コイツは苦手だ。



相田｢…もしかして、黒崎、バレーやってないのか？｣

『……やってない、けど…』

相田｢何でだよ！？あんなに、あんなに上手いのに！！！｣



相田は俺の肩を掴んでそう言った。

苦手だよ。

お前のそういう(無駄にアツい)とこ。



『あ、相田には…関係ない……』

相田｢…俺はお前が羨ましかった。｣

『は？』

相田｢何でもできるお前が、皆から期待されて、チームのエースになって、それが、羨ましかったんだ。｣

『…えっ、何、急に…』

相田｢お前を、倒したかったのに…！！｣



…やめろ。

やめろやめろやめろ！！！

なんか青春してる少年漫画みたいな展開やめろ！！！

鳥肌が立つ！！！

あ、マジで立った。



相田｢何で、バレーやめたんだよ…！｣



何でって…

お前、気づいてないの？

セッターだったくせに？



影山｢……あ、黒崎…｣

『それが、嫌だったんだよ…！！』

影山｢……？｣

相田｢何がだよ！！｣

『確かに俺は……レシーブも、サーブ、ブロックも、スパイクも、トスも、他の奴より凡々にできてたよ…』

相田｢……そうだな。｣

『他の奴より、ってだけで俺が上手い風に見られんのも！！それのせいで期待されるのも！！俺は嫌いだったんだよ！！！』

相田｢……！！！｣

影山｢……………｣




言ってしまった。

こんなこと、言うつもりなかったのに。



『お前セッターだったなら気づけよ！俺が、毎回｢エース｣と呼ばれる度に、顔顰めてたこと！自分でもわかるくらい！俺はッ……』



俺、何言ってんだ…

こんな、昔のこと…

今更、どうこうできる訳じゃないのに…

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