私は貴方にとって道具のただひとつに過ぎない。【降谷零】

Many toys...04 ページ4

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Matsuda side.


「寝た？」

「寝たな。」


Aちゃんは寝息を立てて、ぐっすりと眠っていた。この様子じゃ、何したって起きないだろう。


「俺達が家まで送ってやりたいけど、酒入ってるからなぁ……。」


車がないから寝ているAちゃんを運ぶのには苦労する。誰か足になってくれねぇかなとスマホの中の連絡先を眺める。


「ちょ、松田！見てこれ。」


Aちゃんのスマホに指をさす萩原に疑問だったが、何かあったのかと思って覗いてみる。


「え、降谷怖くない？めっちゃ電話かけてきてるじゃん。……うわっ、またかかってきた。」



俺はちょうどいいと思って、少し形が歪なAちゃんのスマホを手に取り、電話に出た。


『俺に一言も言わずに飲みに行くなとあれほど言っただろ！』


「残念、Aちゃんじゃねぇよ。松田だ。」


『ま、つだ？』


「久しぶりだな、降谷。でもな、生憎Aちゃんは寝ていて話すことは叶わねぇよ。」


『そっちに迎えに行けばいいんだな。』


「ああ、俺達じゃ流石に送ってあげれそうにないからな。」


『わかった。』


「あと、降谷。浮気だって疑われてるからな。」


『は？どういうことだ。』


俺は降谷の問いかけには一切無視して電話を切った。


「松田が降谷に喧嘩売るの珍しい。」


「今回はどうみたって降谷がいけないと思うからな。」


何も話さないで、また違うオンナと歩いてたらAちゃんはきっと壊れる。
今は、俺達が話を少し聞いてやったから多分大丈夫だと思うけどな。


「降谷なんかやめて、俺にすればいいのに。」


萩原が、ぼそっと呟く。
そんなの俺も思ってるよ、言葉足らずの降谷なんかやめて俺にしとけって。




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