私は貴方にとって道具のただひとつに過ぎない。【降谷零】

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まずは実家に帰ることにした。
荷物とか、まだ残っているだろうし。
住んでいたところから実家まではさほど遠くない。
けれど車で移動した方が早いので、車で向かう。


「あ、お母さんに連絡するの忘れた……。」


スマホを立ち上げたいけれど、履歴が零くんで埋まってるとなると怒りがふつふつと沸きそうだからやめた。


「突然帰ったらびっくりするかな。でも、荷物取りに行くだけだし……。」


実家に帰って荷物を持ったらすぐに別のところへ行くとは決めていた。
私の人生は零くんが中心だった。
今回をきっかけに、自分の人生だから自分を中心に過ごしても何も悪くないでしょ？
だから、私を知ってる人がいない所へ向かうことにした。


お金もあるし、特に働いてた訳でもない私だからこそこんなことが出来るのだ。


「私は、零くんを忘れて新しい誰かを見つけて見返してやるんだから。」


貴方の道具だった人は、素敵な方に出会えて道具としてではなく、一人の人間として接してくれる……ってね。




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