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囚人番号NO.54 ページ7

その日はのどかな日差しの降り注ぐ春の日だった。

『いい天気だねぇー』

ク「そうだな。気持ちの良い日だ。

お、見ろA!お間の好きな木の実がなってるぞ!

…A?」

呼びかけても返事をしないAを不審に思ったクロは振り返る。

その瞬間彼の視界は鮮やかな赤色に染まった。

彼の胸から出る鮮血によって。


ク「!?…ガハッ!」

倒れ込むクロ。

シ「あなた?どうしたの…!?え、何が起こって…!?A!何してるの!」

きっ!とAを睨むシロ。


『あー、さすが長ってとこか。1発じゃ倒れないな。まぁ、次でやれるだろ』

ニタリ…と邪悪に笑う。

明らかにAでない「何か」だった。


シ「あんた…何者よ!」

『ちっ、獣は聡いから嫌だな。さっさと終わらせるか』

そう言うと一目散に向かってくる。


シ「させないわ!」

ドカッ!

シ「きゃぁっ!」

シロが立ち向かうも吹き飛ばされてしまう。


Aの体が宙に踊った。








『奴らが最低なのはそこからよ。
ちっ、クソが忌々しい…

その瞬間私に意識を戻しやがったんだ』






ザシュッ…

『え…?』

ク「くっ…がっ…ごぼっ…」

『え?何…これ?』

急に意識を取り戻したAの目に映ったのは、

血まみれになり行きも絶え絶えに倒れるクロと
離れた場所で動かないシロ。


『ちょ…お父さん!何が起こったの!?しっかりして、お父さん!』

クロを起こそうと必死に彼の体を揺さぶる。


その時気づいてしまったのだ。



自分の手が真紅に染まっていることに。


『え…何これ…何これ!?い、いや、違う!私じゃない!なんでなんでなんで!?』



ク「っは…落ち着け…A…」

『お父さん!何があったの!?なんで私の手は…そんな訳…!』

目をうっすらと開けたクロは、最後の力を振り絞ってAに言葉を紡ぐ。



ク「分かっている…あれは…お前じゃない…だけどな…俺をやったのは…「A」なんだ…

いいか、たとえあれが誰であろうと…!

今日から長は…お前だ!



頼んだ…ぞ…」

そう言うと事切れた。


『お父さ…お父さん!なんで…嫌…いやいや…

ぅ、うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!』








『つまり私は…自分の育ての親を我が手で殺したんだ。

で、クロの遺言通りあたしが長になった。』


『そっから数ヶ月。…翁さん飾さんにで合った』

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設定タグ:ナンバカ , 悟空猿門   
作品ジャンル:ラブコメ
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みんなしゅき - 最高。もう天に召されたい。 (2020年3月27日 20時) (レス) id: 6945b1170b (このIDを非表示/違反報告)
愛と夢と貴方(プロフ) - きゃー!猿門が!猿門が!チューした!うへうへ状態ですw (2019年8月26日 23時) (レス) id: f5caf53ecd (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 愛と夢と貴方-あー、ありがとうございます!間違ってました。たいへん助かりました! (2019年8月16日 1時) (レス) id: fff907d5b1 (このIDを非表示/違反報告)
愛と夢と貴方(プロフ) - 多分…多分何ですけど…「ちなみに先程の会話は最後のダンボールを名前が豪速球で猿門にパスした時のものである。」のところの、名前は、(名前)ではないでしょうか?間違ってたら本当にすいません! (2019年8月16日 1時) (レス) id: f5caf53ecd (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - りんご飴-わー、嬉しいこと限りなしです!更新頑張りますね! (2019年7月28日 21時) (レス) id: fff907d5b1 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:人間拡声器 | 作成日時:2019年6月9日 1時

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