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心の中でそう呟きながら、今日のお相手を確認する。




「吉野、」




どこかで聞いたことがある名前。でも、思い出せない。





「ま、いっか」




105号室についたら、3回ノックをして、




「失礼します〜」


「あ、吉野さんであってます?」


「あ、はい、」




吉野さんと名乗る彼は、深く防止を被ってはいるが若いということだけはわかる。





「こんな朝から大丈夫なんですか?お仕事とか、」


「、」





返事がないから、控えめだなこの人とか思いながら上着を脱ぐ。





「もう、やります、「Aさん」、は、?」





ここでは一応エミリという名前を使っている、

だから、わたしの本名など知るはずがない。

なんで、?





「弟の友達の顔、忘れましたか、?」




そう言って、深く被っていた帽子をとり、全然見えなかった顔が、




「ほく、と、君、?」




吉野北人。

小学生のころからの壱馬の友達。

だから彼はまだ高2のはず。

え、なんで知ってるの?






「なんで、ここに、?」


「Aさんこそ、こんなとこで何やってるの?」


「え、いや、それは、」


「壱馬にも話せないこと、してるんだね。」


「っ、」






彼の言葉になんて返せばいいか悩んで、

とっさに、





「、お願い、壱馬には言わないでっ、」


「、わかりました。」





どうやら彼は、この前朝練に行く途中、わたしがここに入っていくところを見たらしく。

お兄ちゃんの身分証を使って予約をし、確かめに来たらしい。





「壱馬にもAさんの働いてるところ聞いたけど、俺にもわからないって言ってたから。」


「そっか、」


「自分の、体、大切にしてください。」





その言葉にわたしはどう言うこともできず。





「もう、ここには来ちゃダメだよ。」




君まで汚れちゃう。













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作者名:弥宙 | 作成日時:2022年2月3日 16時

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