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お部屋案内しますね、と、北人くんが案内してくれた部屋には、ベッドがふたつ並んでいた。









「おぉ〜すっご」









さっきまでバチバチに警戒してたさつきは、打って変わってテンションがいつも通りになっていた。












「ねぇー住んじゃおうよーAー」


「えぇ、そんなこと言われてもな、」













わたしが、まだ悩んでいるのには理由がある。

それは、今住んでいる家を手放したくないから。

そこは、おかあさんが大事に育ててくれた家だから。

捨てられたってわかってる。わかってるのに、

アパートの一階の端っこにあるわたしの家。

窓から外が見える家。

いつもそこから外をみて、おかあさんが帰ってくるのを待ってた家。

どうしても、その時のことを思い出してしまう家。
















「、どうしよ、」









と、言葉を吐いた時、こんこん、とドアを叩く音がした。

ちょうど椅子に座っていたさつきがそのドアを開ける。

そこには慎さんが立っていて、












「ごはん、出来ましたよ!」


「あ、はい、今行きます!」











と、わたしたちは慎さんに連れられテーブルと椅子が置いてある部屋につく。










「「ひっろぉ」」










わたしたちが思ったことは同じだったみたいで、
その上には美味しそうな料理が並べられていた。















食べ終わった後、部屋に戻ろうとしたら、壱馬に呼び止められた。

さつきに、『先に行って』と促し、壱馬の待つ部屋に足を運んだ。
















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作者名:弥宙 | 作成日時:2022年2月3日 16時

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