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「え、いや、そんな、住めって言われも、」
「あっ、いやその代わり、ここの飲食店のお手伝いをしてもらう、というものです。」
「えぇ、」
と、さつきと顔を見合わせる。
「、あなたたち、お金に困ってるからあんなとこで働いてるんですよね?」
「、は」
そう言って、慎さんがバックから出したのは、
あのお店に働くとき、ミサさんに渡したはずの履歴書だった。
「、初対面のヤクザの家に住めなんて、出来ません。」
今まで無口だったさつきが真剣な面持ちで口を開いた。
「大体、なんなんですか?喧嘩して逆恨みされて、?挙げ句の果てにわたしたちの身が危ない?」
「そんなの、わたしたち関係ないでしょ、勝手すぎませんか?」
「さつき、」
「、未成年は、あそこで働いちゃいけないの、わかってますよね?」
「、わかってますよ、」
「警察に言っても良いんですよ?」
「、なにそれ、脅しですか?」
「、どんな方法でお金を稼ごうが、わたしたちの勝手ですよね?」
「、あなたたちには借金がある。だからあそこで働いてるんですよね?」
「、だったらなに」
「さつきさん、気づいてますよね?時間が経つごとに利息が増えていってるの。」
「、」
「え、」
この前、さつきは、『あとちょっとで返しきれる。』
と言っていた。だから、びっくりした。
もしかしたら、さつきなりの優しさだったのか。
「しかもそれはこっち側の人間がやっていることだから、なかなか言い返すことが出来なかった。」
「っ、」
「なに、住めば解決するとでも言うんですか、」
「俺らに、任せてくれれば。」
「、」
さつきは黙ってしまった。
そして、話の矢印は、
「Aさん、あなたも、___________」
わたしにへと、向かってきた。
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作者名:弥宙 | 作成日時:2022年2月3日 16時