Secret (ページ12)

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そしてしばらくすると、急にさつきが、こんなことを言い出した。

「あ、ねぇ、知ってる？今ここら辺、結構荒れてるらしいよ。」

「荒れてるって？」

「噂なんだけど、がたいのいい男の人が、ここら辺何人か引き連れて歩いてるのを見た人がいるって、」

「あぁ、なんか聞いたことある。」

「でしょ？しかも、その人たち、ヤクザだって噂。」

「うわ、怖。」

「でしょ！？もう、今日も夜から接待じゃんうちら、」

襲われたらどうしよ、と言うさつき。

そんなのあるわけ、と言いながら、頼んだ飲み物に口をつける。

「え、でね！でね！その組に、高校生とかもいるらしいよ！」

「えぇ、未成年、」

「一番下だと中学生までいるって噂、」

「うわぁ、」

「、Aの弟もそこに入ってたりして、」

「、！！」

そのさつきの一言にむせそうになった。

そんなこと言うのやめてよ、とか言いながら、

もしかしたらとか考えちゃったりして、

「ごめんてぇ～」

「いいよ、その代わり、今日さつきの奢りね。」

「えっ、いや、それは関係なくない！？」

「、お客さんの愚痴、店長に言っちゃおっかなぁ、」

「え、ちょ、それは勘弁。」

と、頭の上で手を合わせるさつきに、ふっ、と笑みがこぼれる。

うちらはこれからお店に行く。そのヤクザとは蜂合わせたりしたくないな、とかおもっちゃったり。

さつきも、夜の出勤に、顔で不機嫌なのが丸わかり。

表情豊かなところか楽しかったり。笑

「ちょっと、なに笑ってんの？」

「んーん、べつに。」

「ふ、なにそれ～！」

「あっ！ねぇー待ってよ～！」

さつきは、ふっ、と鼻で笑ったあと、ついてこいとでも言うように、店まで一目散に走っていった。

わたしはそれを追うのに精一杯。

こういうの、学校に行けていたならもっと楽しかったのかな、とか、思ってしまう。

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