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収録が終わってロビーに出るとAが立っていた。
「あれ、今日約束入れてたっけ」
「ううん。会いたかったの」
「んじゃ、どっか食いに行くか」
「うん!!」
これでも、俺らは付き合っていない。
周りにもバレずに俺達が築き上げたこの関係を
世間ではキープという。
「ここの焼き鳥美味しい!!!」
「好きなの食え」
「珍しく優しいね?」
「珍しくは余計じゃないの?」
「鶏モモ追加」
「はいはい
で、何があった?」
Aは塩コショウに伸ばしていた手を止めた。
「…気づいてたの?」
「まぁね」
観念したようにAは手を引っ込めてテーブルの下で手弄りをしながら話し出した。
「見ちゃったんだよね…
タツと、可愛い子」
「だろうと思ったけど」
手もとのジンジャーエールを飲み干して店員にお代わりと鶏モモを注文した。
「まぁ、よくも1年半も耐えたよ。
もう、いいんじゃねぇの?」
「タツはキープじゃないもん。
…本命なんだもん」
思い出すのはちょうど1年前ほど
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作者名:ハナ | 作成日時:2019年5月16日 22時