【中村悠一】 中村の嫁はわがままがーる

告白はプロポーズ ページ17

私の送ったメールに返事は届かなかった。


杉さんと関わりがなくなってまた１年。
一瞬で時は流れてもう声優歴は６年となっていた。

「神谷さん。友情と愛情はどっちが大事ですか」
「なんだその質問」

子役時代からよく話していた神谷さんにそう聞く。

「今一番の悩みなんです。」

私の悩みに一応真剣に答えようと考えてくれる神谷さん。

「見かたを変えてみるとか」
「へ？」
「愛情が友情の思い」

神谷さんの言うことは全く分からなくてさらに悩みは大きくなる。
LINEが来た。そう、時代はLINE。やっとこさはやりに乗った連絡手段を使う。


《今日暇？》

悠一さんは突然誘ってくる。

《めっちゃ暇です》

それもタイミングよく。


その日は七夕。
街中には笹が飾ってある。
イルミネーションのように煌びやかではないがなんだか明るい。

居酒屋に入ると既にジンジャーエールを飲んでいる悠一さん。

「遅くなりましたかね」
「うん。遅い」

いつもどおりの言葉を交わして自分も飲み物を頼む。
悩みをすべて吹き飛ばしたいせいか頼んだのはビールだった。

「珍しいね」
「七夕なんで」

出てきたビールを一気に飲み干してすぐにお代り。
すると突然LINEが来た。

《彼氏いない歴＝年齢卒業します！！この七夕という日に彼氏ができました！！》

それは中学校からのモテない親友。
彼氏ができたんだ・・・。当時は私に彼氏ができてモテない親友の話を他人事のように聞いていたが今じゃまるで逆。私が、モテない女だ。

「いいな、彼氏」

自然とぼやいていた。

「あれ、いなかったの」
「いたら悠一さんと２人でこんなことしませんよ」

友達へおめでとうとLINEを送る。ごめんね、性格悪いけど羨ましくてそれ以外の言葉が送れない。
いっそのこと・・・

「いっそのこと、悠一さんが彼氏だったらな」

お酒が入ってたから考えるよりも先に言葉が出てくる。

「じゃあ、付き合う？」

頭がぼーっとして言葉が入ってくるのが遅い。ようやく入ってきたのはその言葉。
一気に酔いが覚めた。悠一さんを見ると私を見つめている。

「告白ですか・・・？」

悠一さんは頭を縦に振る。

「付き合います！！彼女にしてください！！」

晴れて、恋人同士になった私たち。
あ、でもやっぱり・・・・。


「やっぱり、彼女より＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿



　 ＿＿＿＿＿＿＿＿＿お嫁さんがいいです」


《告白はプロポーズ》＿＿＿＿Twitterより

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