Merry Xmas【吉野北人２】 ページ43
だけど俺の足は意思を持つかのように
個室を出て、彼女の向かったであろう
店先に向かった。
お店の出入り口から少し離れた所で、背中を丸めて誰
かと電話をするAちゃんの後ろ姿を発見した途
端、胸がドクンと脈打つ。
いや、やっぱりやめよう。
こんなの盗み聞きみたいだ。
そもそもなんで俺、追いかけて来ちゃったんだろ
う…。
そう思い立ち、来た道を戻ろうとした瞬間、Aち
ゃんは、うんうんと相槌を打ちながら、
「うん、うん。ほんと？私も大好きだよ！」
急に振り返り、俺とバッチリ目が合ってしまった。
「っ！！」
北「あ…いや、これは…！」
俺は慌てて戻ろうとすると、Aちゃんは電話口を
軽く片手で押さえてから、俺の顔を覗き込む。
「ちょっと待っててくださいね？…ううん、大丈夫だ
よ。じゃぁもう行かなきゃいけないから切るね。う
ん、おやすみ。」
通話終了をタップしてすぐ、またも俺の顔を覗き込み
ながら、
「ごめんなさい！電話してて気づかなくて…。」
北「あぁ…いや、こっちこそごめん…。」
ほんとこの結果になってしまった自分、ごめんだ
わ…。
想いを伝える前に失恋とか、笑えない…。
「あの〜…、何か用だったんじゃ…？」
ほんとはあの時、勢いでAちゃんとお近づきにな
ろうなんて思ってました。
なんては言えないので、取り繕うように嘘をつく。
北「いやっ…たまたま外の空気吸いたくなって…、」
その時、Aちゃんの後方で二人組の女の子がこち
らを見て何やらコソコソしていることに俺は気づく。
あ、ヤバイ。
気づかれたかもしれない…。
そう思った瞬間、Aちゃんは俺の手を取りお店の
入り口とは反対方向へ走り出した。
北「えっ？！ちょっ…？！」
Aちゃんは何も言わずにそのまましばらく走り続
け、されるがままの俺が少し息を切らしてきた頃、や
っとその足はあまり人気のなさそうな雑居ビルの近く
で止まった。
「はぁ…はぁ…、すいません…つい…。」
北「はぁ…、Aちゃん絶対陸上部だったでし
ょ…？」
「いや、美術部です。」
北「嘘だぁ！」
二人とも息を整えながら笑い合っていたら、その近く
でさほど大きくはないけれどイルミネーションで輝く
クリスマスツリーがあることに気づく。
Merry Xmas【吉野北人３】→←Merry Xmas【吉野北人】
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雪 - こんばんは(*^^*) かなりお久しぶりです(笑) 夜遅くにすみません｡｡｡ 物語読んでいて気が付いたのですが...。 ・ページ3のここの部分 俺は思わず、飲もうとしたペットボトルを吹き出し そうになる。 (2021年5月13日 1時) (
レス) id: 4332e38eb8 (このIDを非表示/違反報告)
みそじ(プロフ) - 美紀さん» こちらにもコメントありがとうございます！ランペのみなさん、最高ですよね！ (2020年1月6日 0時) (レス) id: caa215b4c7 (このIDを非表示/違反報告)
美紀 - ランぺ大好きです最高です (2020年1月5日 11時) (レス) id: a31ea93868 (このIDを非表示/違反報告)
みそじ(プロフ) - 雪さん» ご指摘ありがとうございます。訂正しました。 (2020年1月5日 1時) (レス) id: caa215b4c7 (このIDを非表示/違反報告)
雪 - 続けてのコメントですみません(>_<) これ正しくはそう思った瞬間、ではないんでしょうか？ (2020年1月5日 1時) (レス) id: 4332e38eb8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みそじ
| 作成日時：2019年8月6日 8時
