秘密のデート【川村壱馬】 ページ41
宇宙やら惑星やらで争い事が起きる
ことで有名な俺の大好きな映画が公開
されてはや半月。
公開日は年末とあって、一刻も早く見たかったけれど
ありがたいことに忙しくて映画を見る二、三時間の空
き時間すら無かった。
だけど今日は別。
年も明け、世間はまだ正月モードから抜け切れていな
いなか、去年よりも長く頂いた休みの中でやっとここ
に来れた。
正月明けの平日ともあって、人はまばら。
俺にとって絶好のタイミング。
チケットはネットで買ったので飲み物だけを買い、機
械から出された紙のチケット片手に記載されている席
につく。
あぁ〜この感じ久しぶりだわ〜。
本編が始まるまでの時間って、何気に好きなんだよな
ー。
なんて物思いにふけていたら、俺の隣の席に同じく飲
み物片手に静かに座った女性はスクリーンを見つめた
まま開口一番に、
「あ〜楽しみっ。」
と、呟いた。
その言葉にフッ笑うと、タイミング良く予告の特集が
始まる合図で照明が一段階暗くなる。
壱「ずっと家ばっかだったもんな。ごめん…。」
スクリーンを見つめたまま言うと、隣の彼女もスクリ
ーンを見つめたまま、
「嫌味とかじゃないよ？この映画が本当に楽しみだか
ら言っただけ。それに…、」
それに？と口には出さないけれど、目線を隣の彼女に
うつせば俯いたまま、ボソッと呟く。
「私は壱馬と同じ時間を共有できるだけで、充分だか
ら…。」
そして予告の特集の音が鳴り響く中、俺は彼女の片手
をそっと握ると、ビクッと驚き小声で慌て始める。
「だっ、だめだよっ！誰かに見られたら…、」
壱「大丈夫。俺たちの両隣り買い占めておいたか
ら。」
してやったりな顔で彼女と視線を絡ませれば、目を見
開いて口はパクパク。
俺たちは、当たり前のことができない。
だけれど、たまにはこうやって大胆になってみるのも
いいかもしれない。
だって俺たちにだって、デートする権利はあるだろ？
壱「俺たちの秘密のデート、楽しもうな。」
そうして握っている彼女の手にキスを落とす。
よし、このままこの手で宇宙の揉め事解決したるか、
なーんてな。
Merry Xmas【吉野北人】→←ずっとここにいていい【川村壱馬】
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雪 - こんばんは(*^^*) かなりお久しぶりです(笑) 夜遅くにすみません｡｡｡ 物語読んでいて気が付いたのですが...。 ・ページ3のここの部分 俺は思わず、飲もうとしたペットボトルを吹き出し そうになる。 (2021年5月13日 1時) (
レス) id: 4332e38eb8 (このIDを非表示/違反報告)
みそじ(プロフ) - 美紀さん» こちらにもコメントありがとうございます！ランペのみなさん、最高ですよね！ (2020年1月6日 0時) (レス) id: caa215b4c7 (このIDを非表示/違反報告)
美紀 - ランぺ大好きです最高です (2020年1月5日 11時) (レス) id: a31ea93868 (このIDを非表示/違反報告)
みそじ(プロフ) - 雪さん» ご指摘ありがとうございます。訂正しました。 (2020年1月5日 1時) (レス) id: caa215b4c7 (このIDを非表示/違反報告)
雪 - 続けてのコメントですみません(>_<) これ正しくはそう思った瞬間、ではないんでしょうか？ (2020年1月5日 1時) (レス) id: 4332e38eb8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みそじ
| 作成日時：2019年8月6日 8時
