ポータルの扉を叩けばー交差する時間２ー

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私は与えられた部屋のベットで

うずくまっていたら、来客を知らせる

ノックが聞こえた。





コンコン

北「A？入ってもいい？」




「うん…どうぞ。」





重たい体を起こしてドアが開くのを待てば、木のお

ぼんにお皿を乗せた、北人くんが入ってきた。




北「はい、これ。力矢さん特製スープだよ。」




そう言ってベット横のサイドテーブルに、ほのかに

湯気が立つお皿を置いてくれる。





「ありがとう…、いい匂い。」





食べな、と言いながら北人くんは私のベットに腰掛

けた。





力矢くん特製スープを一口飲めば、心身ともに温ま

り、少しだけ気持ちが楽になる。





北「壱馬と…なんかあった？」




遠慮がちに聞いてくる北人くんは、私が部屋にこも

っていることに対して興味本位というよりは、心配

してくれているようだ。





「うーん…ちょっとね…。」



スープの中でスプーンを行ったり来たりさせなが

ら、ごまかして言えば、





北「もしかして、Yukiたちのこと？」



「っ…、」




なんで、みんな分かっちゃうんだろう。




「なんで…、」


北「なんでわかるの、って？

そりゃ、俺たちに話してくれた時のAを見てれば

みんなわかるよ。あ、陣さんはちょっと別かな。」




ふふっと笑って言う北人くん。





北「どーせ優しいAのことだから、Yukiたちだけ

捕まったままなのが、自分のせいだって思ってるん

でしょ？」




いつも、ふわふわしている北人くんはたまにこうや

って、急に勘が鋭くなる。




「うん…。なんとかしなきゃ、保釈金作らなきゃっ

て…。」




飲んでいるスープを見つめれば、小さな自分の顔が

ゆらゆらしている。




北「だけど、壱馬にそれがよく思われなくて今に至

る、的な？」




「北人くん怖い…。エスパーなの？」



怪訝な顔で彼を見たら、




北「そうかもしれない。」


なんて、いたずらに笑う。







北「Aが出て行っちゃった日、壱馬に問い詰めた

ら教えてくれたよ。サラさんに…その…キスされた

ところを見られたって…。」





そのワードを聞くだけで胸がズキリと痛み、私はお

皿を持っていた手に力が入る。

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