嘉将 ページ32
嘉「はぁ〜〜。」
力也「どしたの。笑
そんなあからさまなため息。」
歌番組の収録前、楽屋でヘアセットが終わった俺
は、鏡台の前にうなだれる。
竜「はい！はい！俺わかる！！」
鏡ごしに竜太くんを見れば、携帯をいじっていたは
ずなのに、片手を上げて周りを見渡している。
利「えっ！なになに？！」
砂「緊張してるとかじゃなくて？」
竜「違うんだなぁ〜それが！実は…、」
嘉「だぁー！！もういいって！」
俺は竜太くんが説明しようとするのを声で遮れば、
ちょうどマネージャーが、ブログ用の写真を撮るた
めに俺たちを呼んだ。
写真を撮り終わり、俺のため息の理由なんて竜太く
ん以外はすっかり忘れて、各々で時間までを過ごし
始める。
竜「まだ考えてんのかよ？」
ドカッと隣の椅子に座ってきた竜太くんは、ペット
ボトルの水を飲みながら聞いてくる。
嘉「…だって、なんか頭から離れなくて…。」
竜「って言ったって、人の彼女だぞ？」
嘉「だから、ため息しかでないんじゃん…。」
BOTの最終日、打ち上げに向かう途中で見かけた彼
女のことが、もう何日もたつのに頭から離れない。
でも…その人にはもう、俺と同い年の一途で有名な
パートナーがいる…。
こんなこと、初めてでため息しかでてこない。
人の彼女に惹かれてるなんて…。
竜「まぁ〜でも、どっかで会ったことある気がして
ならないんだよなぁ。だけど思い出せない。でも絶
対会ったことある。」
竜太くんは、顎に片手を添えて考える振り。
嘉「そう、それの繰り返しで思い出せない…。」
そう言って、俺はまた机にうなだれる。
あの時、彼女の顔を見てすぐに思った。
長い時間を一緒に過ごした人をずっと捜し求めてい
て、やっと会えた…そんな気持ちに。
竜「まぁさ！とりあえず、問題だけは起こすなよ？
笑」
ニカッと笑顔で、軽く忠告される。
嘉「わかってるよ…。」
もし君がこの歌番組を見ていたら、
もし君が僕のSNSを見ていたら、
そんな小さな期待をいつも持ち、あと何回…いや、
あと何十回肩を落とすことになるんだろう。
だけど…その分、もしまた君に会えた時は今よりも
っともっと、胸を張って会えるように、俺は進み続
けるよ。
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みそじ(プロフ) - renさん» コメント&お褒めのお言葉ありがとうございます！！ (2021年3月13日 18時) (
レス) id: 6c1fcd7cbb (このIDを非表示/違反報告)
ren(プロフ) - とても面白かったで！最高でした！ (2021年3月9日 14時) (レス) id: f6cfc9cab2 (このIDを非表示/違反報告)
みそじ(プロフ) - ゆいなっとうさん» コメントありがとうございます！ここだけの話し、作成中は何度もMVを見直しました(^^;)笑 これからも暇つぶしに覗きに来てやってください(^^) (2020年4月6日 2時) (レス) id: c7b35b47f5 (このIDを非表示/違反報告)
ゆいなっとう(プロフ) - 読んでいる最中に、白いスポーツカーとか、白い衣装と黒いスーツの衣装の場面が出て きて、これはもしやｍｖのあのシーン…？とニヤニヤ思い出しながら読んでました。最後のみんながあれ？ってなるところとても好きです！ (2020年4月6日 1時) (レス) id: 93ffbdc4e8 (このIDを非表示/違反報告)
みそじ(プロフ) - nagiさん» コメントありがとうございます！また読み返して頂けて作者としてすごく嬉しいです（ ; ; ）更にお褒めのお言葉ばかりで恐縮です。笑 似たり寄ったりなものばかりですが、ぜひ時間潰しにでも読んでください(^^) (2019年12月22日 12時) (レス) id: caa215b4c7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みそじ
| 作成日時：2019年7月22日 22時
