ポータルの扉を叩けばー交差する時間ー

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「どういうこと…？」



北「あれから俺ら、

ちょっと追われててさ。だから面倒な奴らの目の届

かない所にいるんだ。」




「面倒な奴ら」、きっとそれは警察だろう。




北人くんは、私を心配させないために言葉を濁して

いるとすぐに気づいた。





「だけど北人くんは、なんでここに？」





北「力矢さんから、ちょっと頼まれ事でね。ほら俺

はあんまり外出なかったから、顔割れしてないんだ

よ。」





苦笑いで言う北人くんを見れば、あんまり良い状況

じゃないと伺える。







「北人くん…、私全部知ってるの。みんなが追われ

ることになってしまった原因や、誰に追われてるの

かも…。」






北「えっ…なんで…、」




目を見開いて驚く北人くん。





実はね…、と話し始めようとした時、私の後ろから

自分の名前を呼ぶ声が聞こえて振り返る。





嘉「A？！」



こちらもすごくら驚いた顔をして、少し息を切らし

立っていた。





「あ！嘉将くん！あのね…、」


北「それ以上近づくな。」





と、私の声を遮って、目の前に盾になるように立つ

北人くん。




まるで、涼太くんたちが来た時みたいに。






嘉「全然戻ってこないから、心配して探してた

ら…、なんでLUCASと…。」




「あっ…ごめんね！たまたま会って…。あの

ね…、」


北「行くよ、A。」




と、壱馬くんたちのことを話そうとしたけれど、ま

た北人くんに遮られ、今度は手を握られて嘉将くん

とは反対方向へ走り出す。





「えっ？！ちょちょちょっ…！！」





走りながら振り返れば、嘉将くんは私の名前を呼び

ながら追いかけてくる。





「ハァ…ハァ…、ほっ北人くんっ！」



北「話しは後で！！」




振り向きもせず、ただ走る北人くん。



病人なのに、こんなに走っていいの？！とそっちの

面も不安になってくる。




けれど北人くんのスピードは落ちることなく、走り

続けた。

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