ポータルの扉を叩けばー交差する時間ー

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振り返れば、未だ律儀に目を

瞑って立つメンディーくん。



お手洗いから出たり入ったりする女の人たちは、怪

訝そうにじろじろと、彼を見ている。



よしよし、第二関門突破！！




私はキョロキョロと周りを見回しながら、小走りで

思いつくままに動いてみた。





だめだ…。何気に人が多すぎて見つけにくい。



急がないと…時間がない…。





諦めかけたその時、いくつかある受付のようなブー

スで話しているサラさんのお父さんに目がとまった。




「いたっ…！」



私がそこへ走り出そうとしたら、



警備「何かお困りですか？」




特殊部隊の人たちよりは、もう少し軽装の警備員ら

しき人に声をかけられた。




「えっ？！あっ…いやっ…、」



突然の思わぬ展開に、私はサラさんのお父さんと警

備員さんを交互にチラチラと見ながら、戸惑ってし

まう。



どうしよう…？！


なんとかしないと！！




警備「もしよろしければ、あちらの案内所までご案

内しましょうか？」




と、サラさんのお父さんがいる所とは反対側を指さ

される。




「えっと…大丈夫です！あそこに用があるので！」




と、私は早口でそう言って目的の場所へ走る。






ちょうどサラさんのお父さんは、手続きが完了した

のか、受付から立ち去ろうとしていた時だった。




「あのっ！！」



私は乱れる髪も気にせず、呼び止める。





サラ父「…あぁ〜！先ほどの、お嬢さん！」




振り返ったサラさんのお父さんは一瞬、疑問を持つ

顔をしたが、すぐに笑顔で思い出してくれたようだ。




サラ父「SherRockとはぐれたのかい？」



「違います！あの…ここじゃアレなんで、少しお時

間いいですか？」




サラ父「え？…そんなに長い時間はいれないかもし

れないが、それでもいいかな？」



「ありがとうございます！」






サラさんのお父さんは、頭にハテナを浮かべたけれ

ど、すぐに察してくれたのか少し離れた場所を提案

してくれた。





私たちはエレベーターに乗り、下の階の人気の少な

いスペースへ。




行き交う人はロビーとは違い、特殊部隊の人や警備

の人、スーツを着た人などがたまに行き交う。




私は周りにバレないか、少しヒヤヒヤする。



そんな私の不安をよそに、



サラ父「で、話って…なんだい？」




壁に半分身体を寄りかからせて、物腰柔らかに聞い

てくる。




娘のサラさんとは大違い…。




親子でもこんなにも違うものなのか…。

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