ポータルの扉を叩けばー交差する時間ー

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嘉「なんかごめんね…。」


「うっ、ううん！大丈夫！」




それと同時に、パタンと閉まる嘉将くんのドア。




最後に、みんなが言った冷やかしのような言葉で、

少し変な空気というか…気まずいというか…。






「あっ、あの…どこの人って聞かれたとき、フォロ

ーしてくれてありがとう…。あのままだったら

私…、」




嘉「俺、嘘つくのあんまり上手くないのに、あぁ見


えて信じやすいみんなで良かったよ。」





ふっと笑う嘉将くんにつられて、私も吹き出す。





「それ私も思った！あんまり良い噂聞かないって教

えられてたのに、全然そんなことない感じで…、」



嘉「悪い噂？」




「あっ…！えっと…、」



ヤバイ、ランペ のみんなから嘉将くんたちのこと軽

く聞いた時の話しを、ついうっかり…。





嘉「そうだよね…LUCASたちから話しを聞けば、そ

の印象だよね…。」




少し悲しそうに笑う嘉将くん。






きっと今ので嘉将くんとはぐれた時から、私が

ROWDY SHOUGUNの所にいたんだと、気づいたよ

うだ。




でも、まだ私が壱馬くんと…という関係性には気づ

いていないっぽい。







「えっと…あの…、確かにそうは聞いたけど…で

も、嘉将くんが何度もかばってくれたりして、正直

私はそう思えなくて…。」





嘉「Aも信じやすい人の仲間入りだね。」



今度はいたずらに笑う彼は話しを続ける。




嘉「もしかしたら本当に、悪いことしてるかもよ？

隠してるだけで。」





「えっ…、」





そう言う嘉将くんは、どこか危険な香りを匂わせる

ような表情になり、不覚にも胸がドキリとする。






嘉「なーんて、ジョーダンだよ。笑

Aも人のこと言えないじゃ〜ん。」




今度は今まで見てきた嘉将くんに戻り、少しホッと

する。




「ちょっ、もうやめてよ、からかわないで！」



嘉将くんの腕に軽くパンチをすれば、





嘉「…LUCASに傷つけられたの？」



唐突に痛い質問が。




「えっ？…違うよ、全然…。私の話はいいよ！それ

より…、」



あんまり思い出したくないのもあって、話しをそら

そうとしたら、





嘉「もしかして…LUPUS…？」




反射的に、自分の顔が強張るのが分かる。



「違う違う！全然…違う…。」







だけどまたあの時のことがフラッシュバックして、

涙が止まらなくなる。




私ってほんと嘘つけない…。





その時、嘉将くんにまた優しく抱きしめられた。

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