ポータルの扉を叩けばー交差する時間ー

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「私のことよりも、自分の身体

心配しなさいよっ。さっきお酒

飲んだこと知ったら、陣くんカンカンに

怒るよ？」




今度は北人くんの腕を軽くパンチすれば、



北「人が心配してんのに、可愛くない奴〜。」



と頭をワシャワシャされたので、どっちがよ！とツ

ッコメば、なんだか漫才している気分になって、私

たちは笑いあった。





北人くんの優しさや気遣いは正直、今の私にはとて

も良い薬になったように感じる。




大丈夫。



壱馬くんは私を、私は壱馬くんをちゃんと好きだか

ら、絶対大丈夫。







ーーーーーーーー




サラ「かーずぅーまぁー！まだ飲もうよぉ〜。」




壱「いやサラさん、もう飲みすぎっすよ。」




そう言ってサラさんの手から、瓶を取り上げる壱馬

くんと、壱馬くんの肩に腕を回すサラさん。





この光景はもう、二回は見てきた。



その度に胸が、ズキズキと痛む。

涙だって出そうになる。





だけど、サラさんは壱馬くんたちの恩人だから…。



だから…だから…、





慎「まーた飲んでる、あの二人。」



翔平「壱馬さんに至っては酒強いからね。サラさん

は〜…まぁ…ね？笑」





お酒飲みたくても弱いグループは、二人の近くのテ

ーブルで頬杖をつきながら遠まきに壱馬くんたちを

見ている。




「…。」



慎「A…、平気？」



「えっ？！なにが？！」



慎「ものすごい顔してたよ。笑」



「うそっ？！」


私は自分の頬を触って、慌てる。




翔平「ジェラシーってやつ？」




図星なことを翔平くんはニヤニヤした顔で言うもん

だから、別に！とそっぽを向く私。






別にさ、一緒に飲むのはいいけど…あんな距離縮め

なくてよくない？！




前回なんか、ほろ酔いの二人で大盛り上がりで、壱

馬くんなんかボディタッチされまくりで…。





逆の立場だったらどうなのよ？！って感じ。




それに、サラさんが来てから全然二人の時間がな

い…。



夜はほとんどサラさんと盃を交わし、昼間起きてき

ても、すぐどっかいなくなっちゃうし。






ちょっと、ほっときすぎじゃないじゃないです

か？！壱馬くん！！





…なんては言えず、今に至るわけでございますよ。






「はぁあ〜…。」



私が盛大なため息をついた時、急に目の前が真っ暗

になる。



「えっ？！なに？！」



だけど心なしか、自分の目のところにぬくもりを感

じた。

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