ポータルの扉を叩けば

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壱「まさかあいつらの

犬じゃねーだろうな？」




翔平「それ俺も思いました〜！」




私の後ろにいた翔平くんが、手を挙げる。




北「そうは見えないけどなぁ〜…。」



北人くんは顎に手を当てて、私を上から下とジロジ

ロ見てくる。





壱「とりあえず、箱に入れとけよ。こいつがなんな

のか分かるまで。」




北「いくらなんでも、それはかわいそうだよ！」





慌てる北人くんを見て、何かヤバイ所に収容される

のではと危険を察し、私は声を上げる。






「あのっ！その…犬とかよく分からないし、ここが

どこかも分からないし…。私…横断歩道で転びそう

になって気づいたらここにいたんです！」





翔平「オウダンホドウ？」



陣「なんだそれ。笑」





「えっ…、横断歩道だよ、横断歩道！！青になった

ら歩いて渡るじゃん！」




北「青…？渡る…？」





ハテナを頭に浮かべる北人くんと陣くん、翔平くん

に私は胸がザワつく。、







まさか…、私…。






「私…、タイムスリップした…？」




壱「は？」






いや、タイムスリップだとしたら目の前にいるラン

ペの人たちが存在しているのはおかしい。




容姿がまったく同じ人間が、過去にも未来にもいる

はずはない。




確か、子供の頃に本で読んだ気がする…。






そしたら一つしかない…。






「異次元だ！！」





私は声を大きくして言う。





翔平「ビックリした〜！」


北「異次元…？」








「私は、こことは違う別次元から来たかもしれない

ってこと！転びそうになったのに膝に怪我もせず、

なぜかお尻が痛いし！

それに…、」



北「それに？」





「それに、あなたたちのことを知っている。あなた

は壱馬くん。」




そう言って壱馬くんを見上げれば、少し驚いた顔で

こちらを見ていた。







「私のいた世界では、川村壱馬くん。吉野北人く

ん、坂本陣くんに浦川翔平くん、そして藤原樹く

ん。容姿はまったく同じね。」





翔平「なんで俺の名前！」



陣「出回ってないはずの名前をなんで…。」



樹「…。」





北「箱に入れるのはやめて、この子の話しをもう少

し詳しく聞いてみようよ、壱馬？」







壱「…樹、みんなを。」



樹「わかりました。」




すると樹くんは、走ってどこかへ。




北「箱に入れられなくて良かったね。」


うん、と返事をするもその箱という存在がよく分か

らないけど、私はなぜか胸をなでおろした。

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