ポータルの扉を叩けば

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その時、目の前に大きなタンクが現れる。


「なにこれ…。」



兜をかぶったあの銅像といい、でっかいタンクとい

い謎だらけだなぁ。




するとタンクの物陰から、人の気配がするのに気づく。



まさか北人くん？

案外早く見つかった？



「北人くん？」




脅かしてはいけないと思い、そーっと覗くとそこに

は、北人くんにまたがり口づけをしている女の人がいた。




「っ？！！」



北「あれ？A、どうしたの？」




私に気づいた北人くんは、口づけを止めてこっちを

見る。




「ごっ、ごめんなさい！あの…陣くんが探してた

よ！」



私はとっさに二人に背を向ける。



北「あ、ほんと？わかった〜。」




北人くんは乱れた服を直しながら私の隣に来て、ま

たね、とその女の人にヒラヒラと手を振った。




その瞬間、女の人はキッと睨みその場を立ち去る。



女の人の姿が見えなくなったのを確認して、



「邪魔してごめん…、彼女さん怒らせたよね…。」



北「え？彼女じゃないよ。」



シャツのボタンを一つ一つかけながら、しれっと答

える北人くん。





「え？…あ！分かった！じゃ叶わない恋ってやつ

か？！」




歩き出す北人くんに、せめてこれであってほしいと

願いながら聞く。





北「いやー…それも違うけど。ただ一緒にいたいっ

て言われただけだよ。」






は？なにそれ？



北人くんと一緒にいたい＝体の関係？




それっておかしくない？




その瞬間、私の中で怒りがふつふつと沸く。




北「A？行かないの？」



ついてこない私を不思議に思った北人くんは、私に

歩み寄る。





すると、北人くんの後ろから壱馬くんと慎くんが走

ってくるのが見えた。



壱「Aっ！」




北人くんはその声で一瞬、壱馬くんの方を見てまた

私の方へ振り向いた時に、





パンッ！




私は思いっきり北人くんの頬をビンタした。




北人くんはただでさえ大きい目をさらに大きくし

て、叩かれた頬に手を当ててビックリしている。






慎「ぅわっ…。ありゃ見ちゃった感じですかね。」


壱「…。」




「なにそれ…。一緒にいてほしいからって、あんな

ことしていいと思ってんの？！私の世界でも同じ奴

らは腐るほどいるけど、そういうの恥ずかしいと思

いなよ？！こんなの間違ってる！！」

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