ポータルの扉を叩けば

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そこへ何も知らない北人くんが

あくびをしながら近くのドアから

出てくる。





北「ふぁ〜。ん？なにしてんの、二人で。」




私はパッと翔平くんの口から手を離し、なんでもな

いよ！ねっ？翔平くん？と、目で圧力をかければ、

またも無言でコクコクと頷いてくれた。





北「そう？あーお腹減った〜。」



北人くんはポリポリと自分のお腹をかきながら、そ

の場から離れていった。






そして私たちは食事をする場所まで歩きながら、




翔平「まさか…あの後、壱馬さんと…？！」



「ちがっ！違う…はず…。」



翔平「ちょっとやめてよ〜、そういうの！いくらな

んでも壱馬さんはマズイって〜！」




翔平くんはいかにも私が悪いみたいに言ってるけど、




「ちょっと待って。誰よ、私にあんな失神しちゃう

くらい強いお酒飲ませたの！あんなのこっちの世界

じゃないからね？！」




私も反撃だ。





翔平「すぐ人を信用するAがいけないんじ

ゃ…、」



壱「おい、酒は抜けたか？」



「げ！！」


翔平「壱馬さん！」





私たちが言い合いながら歩いていたら、後ろから呼

び止められる。





壱「げ、ってなんだよ。」



「いやっ…あのー…そのー…昨日…、」





私がどう言っていいか分からずにモタモタしていたら、



壱「あぁ、そのこと？お前が酒一気飲みして、ぶっ

倒れたから俺の部屋で翔平たちと、しばらく様子見

てたんだけど、そのうちイビキかいたから大丈夫だ

ろうってことで、翔平たちは帰したんだよ。」




「そういうこと…って、えっ？！私、イビキかいて

た？！」





なぜ私が壱馬くんの部屋にいたのかという理由より

も、もうイビキをかいてたかもしれないという事実

に、穴があったら入りたくなった。






翔平「イビキ。笑」


壱「グォ〜ッ！って、な？翔平？笑」



「嘘でしょ…。」



最悪だ。壱馬くんの前で…。泣






私はがっくりと肩を落として、壱馬くんと翔平くん

はケラケラ笑っていたら、後ろから来た陣くんに早

く進め！と言われてしまったので、トボトボと歩き

出す。






でも翔平くんと陣くんが二人で並んで先に歩きだし

たら、隣を歩きながら壱馬くんに呼び止められた。

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