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ー次の日ー




朝、京極兄弟と合流するいつもの地点に着くと、

ムスッとした顔の尊人さんが一番最初に目に止まった。



「え…、なんで?」



竜「昨日の遊園地、行けなかった事が悔しいんだと。」



フッと笑った竜を、ギロリと睨む尊人さん。



「体調は大丈夫なんですか?」



尊人「あぁ…、おかげさまでな。」



体は大きいのに、なんだか拗ねている小さな子供みたい。



両手をポケットに入れて歩き出そうとした尊人さんを、私と

竜は顔を見合わせてから呼び止めた。



竜「兄貴!」


尊人「…んだよ?」



怠そうに振り返った尊人さんの顔の前に、袋を差し出すと、

目を大きくしてそれと私たちを交互に見た。



「これ、昨日のお土産です。」



尊人「えっ、えっ、お土産?!!」


さっきとは打って変わって嬉しそうに袋を掴んだかと

思うと、私と竜を尊人さんはいっぺんに抱きしめた。



「ちょっ…?!」

竜「おい!兄貴!!」



尊人「ありがとう!お前らほんとにありがとうな!!」



ぎゅうぎゅうとされた彼の腕からやっと解放されると、尊人

さんは目をキラキラさせて袋を開ける。



そんな姿に、なんかだか激しく揺れる尻尾が見える気がし

た。



尊人「竜の奴、メールでは土産があるって言ったのに、今は

持ってないとか言うから、意味わかんねえ冗談だったのかと

って思ってたんだよ!」




竜「それはっ!…あまりにも兄貴が落ち込んでるからだ

ろ…!」



実はお土産は、竜と相談して二人で選んだ。



帰ったら渡しておいて、と頼んだがその時竜は次の日三人揃

う朝にに渡した方がいい、と言ったので私が預かって帰るこ

とになったのだ。



だけどメールでも見たが、予想以上に尊人さんが落ち込んで

いたので、竜は気遣ってお土産があることをカミングアウト

したってわけ。



でも手元に無いお土産と、竜の言っていることの矛盾と、行

けなかった悔しさで、尊人さんはどうやら臍を曲げていたよ

うだった。



「三人揃った朝の方が喜ぶだろうって、竜が。だから昨日は

渡さなかったんですよ。」



尊人「なんだよそういうことかよー!いや〜良い弟だね竜ち

ゃん!」



すっかり上機嫌で煙たがる竜の肩を抱いた尊人さんは、

どれどれ?とお土産の入った袋の続きを開けた。

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作品ジャンル:恋愛
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みそじ(プロフ) - ましゅさん» コメントありがとうございます!そしてお返事がかなり遅れてしまってすいません( ; ; )史上最強に亀更新になってしまっていますが、気長にお付き合いいただけたらな…と思っています( ; ; ) (2021年12月3日 18時) (レス) id: 66d9708aec (このIDを非表示/違反報告)
みそじ(プロフ) - 怜菜さん» コメントありがとうございます!そしてお返事がかなり遅れてしまってすみません( ; ; )亀更新ですがこれからも頑張ります! (2021年12月3日 18時) (レス) id: 66d9708aec (このIDを非表示/違反報告)
ましゅ(プロフ) - いつも更新楽しみです!もう〜竜!!光輝くんともどうなるか今後が気になります。 (2021年11月15日 7時) (レス) id: ad7747e186 (このIDを非表示/違反報告)
怜菜 - 更新ありがとうございます。続きが楽しみです (2021年8月24日 13時) (レス) id: 546599bc4e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:みそじ | 作成日時:2021年8月24日 13時

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