一期一会 ２

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陸「ではっ、Aさんの新しい門出を祝いまして

カンパーイ！！」





ラ「「「カンパーイ！！！」」」

「ありがとうございます！」




今日は陸さんが前から企画してくれていた送別会。




と、なるはずが兼ねてから希望していた部署異動が

決まり、急遽お祝いの会となった。





チラッと隣りを見れば、グラス片手の壱馬さんと目が合う。





壱「ん？どしたんすか？」





「なっなんでもないです！！陣さん！注ぎますね！！」



陣「おっ、ありがとうございます〜。」



私は慌てて反対側の隣に座る陣さんのグラスにビールを注いだ。





あの告白からまともに壱馬さんの顔を見れないまま

今に至るわけで。





でもそういえばお店に着いて、荷物置いてちょっと

トイレに席を立った時は陣さんと翔平さんが隣りだったはず…。





なんて疑問を持ちながらも会は中盤に差し掛かった。


私が陣さんの熱いトークに耳を傾けていた時、





陣「…って自分思うんですわ。だから…」
北「はーい、陣さんは席替えタイムでーす。」



陣「え？！なんや？！Aさんとまだ喋ってんねん！」





いきなり北人さんが私と陣さんの間に無理矢理入り込んできた。






北「あっちで陸さんが寂しそうにしてましたよ。

ってことでここ失礼しまーす。」





ただでさえ狭いのに北人さんは、陣さんと私の間に

グイグイと入り込んでくる。





「ちょっ…北人さんっ…！」




そんな私は必然的に隣の壱馬さんの方へ体が押されてしまう。




ちょっ…これ以上は！！と思っていたら、





壱馬さんは無言で私の肩を掴み、引き寄せられた。



「！！！」



みっ、密着！！！！





陣「ったくもう！なんやねん！」


陣さんはそう言い席を立ち、陣さんが座っていた場

所に北人さんが座る。




その時、壱馬さんはパッと肩から手を離した。





北「Aさん顔赤いけど？飲み過ぎ？」



「え？！いやっ、全然大丈夫ですよ！！」



北「そう？」




お酒じゃない熱が顔に集中するのがわかる。

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