Last Love (ページ47)

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呪いの館は恐怖で包み込まれ…

鳴り響く悲鳴が…「もう～無理無理無理！ごめんなさぃ！！」

壱「Aの声で何にも聞こえないわ。笑」

壱馬くんの腕にガッツリ捕まり、光のさす出口に飛び出す。

「はぁ…はぁ…もう無理。一生分の力を使い果たし

た気分。」

壱「いや～ビビるAはおもろかったわ。笑」

「もう絶っ対、今後一生入らないんだから。」

その時、私は未だ壱馬くんの腕に手を回してること

に気づき、慌てて手を離す。

「ごっ、ごめん！」

壱「いや…そのままでも良かったんやけど。」

ボソッと壱馬くんが何か言った気がしたけど、はし

ゃぐ子供たちが横を通り過ぎたので、よく聞こえな

かった。

「え？ごめん、聞こえなかった。」

壱「だー！もういいわ！次、観覧車な。」

壱馬くんはまたスタスタと観覧車の方へ歩いて行った。

「私の耳がおかしいのかな…」

～神様～

いいえ、それは神様のいたずらです。

ーーーー

制限時間も残りわずかとなった。

そんな中、最後に乗るのは観覧車。

「うわ～！高～い！」

壱「人がミニチュアサイズやな。」

観覧車はてっぺんまでゆっくり上がる。

「壱馬くん…今日はありがとうね。」

これだけはちゃんと、面と向かって伝えたかった。

壱「なんや、急に。別に俺が一緒に回りたかったか

ら誘っただけやし。」

窓の外を見ながら膝に頬杖をついたまま、こちらを

見ない壱馬くん。

でもその言葉の裏には、私を連れ出してくれた理由

がなんとなく分かる気がした。

壱「あ、そうや…これ。」

と、手渡されたのは何かのチケット。

「チケット？」

壱「Aたちも来た会場で、今やってるライブの追

加公演が決まったんや。

せやから、凛と一緒にまた来たらええんちゃう？

前回はあんまり内容が見れなかったんやろ？」

「えっ！でもこんなの悪いよ！！」

私は受け取ったチケットを壱馬くんに戻そうとするも、

壱「俺が見に来て欲しいんや。

俺だけ見てて欲しい。」

そんなこと言われたら…断れなくなる。

まっすぐで鋭い壱馬くんの目に、吸い込まれてしま

いそう。

壱「ま、Aも仕事があるだろうし予定が合えばやな！」

さっきとは打って変わって、急に柔らかな表情にな

る彼に、戸惑いを隠せない。

あなたはカメレオンのよう。