Last Love (ページ46)

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遊園地は平日ということもあり、

そこまで混んでなさそうだ。

「ねぇ…バレないかな？ヤバイんじゃない？」

壱「なんでAがビビっとんねん。笑」

こんな堂々と芸能人、しかも超人気アーティストが

遊園地にいるなんてバレたらパニックもいいところだ。

そんな私の不安をよそに

お、あれ面白そうやなと呑気に乗り物を物色中の壱馬くん。

「私はいつでも来れるけど、壱馬くんはなかなか来

れないから、好きなの乗りなよ！」

え？いいの？と目をキラキラさせて壱馬くんが指差

した乗り物は、けっこう激しめのジェットコースタ

ーだった。

ーーー

壱「いやー！めっちゃ楽しかったわ～。」

「たくさん叫んでストレス発散になったね！」

絶叫系を3個も乗り終わった時、次はあれにしよーぜ

と壱馬くんが指をさしたのは、

「呪いの館…」

お約束どうりのお化け屋敷だ。

「絶っ対無理！！絶っ対嫌だ！！」

まるでワガママを言う子供のように私は拒否する。

壱「すぐ終わるって！今日ここで挽回しよ！！」

「いや、挽回しなくていいから！」

その時、どこからか聞こえた声。

ーあれランペの壱馬じゃない？ー

声の方を見ると、同年代くらいの女の子二人組が疑

いの目を向けている。

私は思わず、壱馬くんの腕を掴み

「タケシくん、入ろう！！」

と、お化け屋敷の中へ駆け込んだ。

薄暗い入り口を少し行ったところで立ち止まる。

壱「いや、タケシくんって誰やねん。笑」

「ごめん…とっさに思いついた適当な名前で…」

壱「ま、巻けたっぽいから助かったわ。

でもええんか？勢いで中入ってるで？」

壱馬くんはニヤニヤした顔で言う。

「あー！！忘れてた…どどどうしよう…」

とにかく壱馬くんがバレないようにしなきゃと頭が

いっぱいで、完全に忘れていた。

壱「ほら、ここつかまっとき。」

と、腕を出してくれたのでもうこの際、恥ずかしい

とかそんなの捨てて我が身を守るためにしがみついた。