Last Love (ページ26)

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よし！準備OK！

玄関に向かう途中でリビングに寄り、

家族に出かけることを告げる。

母「ご飯いるのか連絡しなさいよー。」

妹「お姉ちゃん、デート？」

父は読んでいた新聞から勢いよく顔を上げた。

「ちっ、違うよ！とっ、友達だよ！！」

デートなんかじゃない。

友達として今日は行かなきゃ。

そう自分に強く意識させて、いってきます！といつ

もより大きな声で私は家を出た。

妹「ありゃ男だね。」

父「なにぃ？！！」

母「もう年頃なんだから、そりゃデートの一つや二

つするわよ。」

父「そんなぁ！！」

ーーー

確かにこの辺なんだけどなぁ…。

つくづく自分の方向音痴が嫌になる。

とにかく地図アプリのピンから離れないように歩き

続けてみたら、公園の入り口らしき物が見えてきた。

やった！ついに1人で来れた？！

公園の入り口まで来た時、自分の膝を見ながら座り

込む男の子がいたので、無意識に駆け寄る。

「大丈夫？転んじゃった？」

男の子「うん…ここ、痛い…。」

一生懸命泣くのを我慢して答えてくれた男の子の膝

からは血こそ出てないものの、擦りむいて少し痛そう。

「ちょっと待ってね。」

私もしゃかんで、自分の鞄をガサゴソと漁っていた時、

北「A？」

「北人くん！」

見上げると、今日も目深に帽子を被った北人くんが

立っていた。

北「どうしたの？」

「なんか転んじゃったみたいで…あ！あった！！」

私は鞄から絆創膏の入ったポーチを見つけ出し、男

の子の膝に貼ってあげた。

「はいっ、これで大丈夫！

お家に帰ったらお水でちゃんと洗うんだよ？」

男の子「うん！お姉ちゃん、ありがとう！」

男の子はそう言うと、元気よく走って行った。

「良かった、元気になって。

あっ、待たせちゃってごめんね？なんとかたどり着

けたよ！」

北「…。」

北人くんは私の顔を見つめたまま、固まっている。

あれ？この状況、初めて出会った時もあったような…。

「北人くん？おーい？」

私は北人くんの顔の前でヒラヒラと手を振ってみる。

北「あっ、ごめん、なんでもない。」

北人くんは片手で口元をおさえたまま、そっぽを向

いてしまった。

ボーッとするほど、忙しくて疲れてるのかな…。

私なんかといないで、今日は早く帰してあげた方が

いいな。