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慎「好きなタイプの話ですよ。
Aさんも嘘がない人が
タイプなんですって。壱馬さんと同じですよね。」
壱「あぁ…せやな。」
そう答える壱馬くんは、どこか元気がないという
か、ここにいるのに、いないみたいな感じに見えた。
陣「大丈夫か?なんか元気ないで壱馬。」
壱「すいません…、でも大丈夫です。んっ、ハヤシ
ライスうま。」
取り繕うように、話をそらしてご飯を食べ始める姿
に少し心配になるけど…、
でもこういう時はきっと私じゃなくて、壱馬くんに
とって大切な人が支えるべきなんだよね…。
そう、彼女さんとか…。
そんなことを考え出してしまっていたら、なんだか
お腹いっぱいになってきちゃって、スプーンであと
少しのハヤシライスを寄せていると、
北「Aさん、おかわり。」
隣の北ちゃんから空になったお皿を渡される。
「あっ、うん。」
考えない考えない。
もう壱馬くんのことは考えない。
私はキッチンへ北ちゃんのおかわりをよそいに行
き、あとはルーをかけるだけとなった時、
北「壱馬のことで頭いっぱい。」
「ぅわっ!」
ビックリしてお皿を落としそうになる。
声の方を見ると、北ちゃんが冷蔵庫に寄りかかっ
て、こちらを見ていた。
「そっ、そんなことないよ!」
本人に聞こえてたらマズイと思い、チラッと壱馬く
んを見れば、慎くんと翔平くんと楽しそうに会話し
ていて、ホッとする。
北「……。」
完全に疑いの目で見てくる北ちゃん。
「…そんなに顔に出てた…?」
私は観念して、自分の顔を両手で挟む。
北「ダダ漏れもいいとこだよ。」
せっかくハヤシライスでご機嫌かと思いきや、ブス
ッとしてしまう。
「ごめん…。自分の気持ちがグズグズしてて…。」
するとスタスタとものすごい近い距離まで近寄ってきて
北「ま、好きになってもらえるようにするって俺が
言ったしね。」
私の顔を両手で包み、いきなりおでこに軽くキスを
された。
「ちょっ、ほっ北ちゃん?!」
北「壱馬のことばっかり…だからAさんに少し意
地悪!」
と、べっと舌を出して、ちゃっかりハヤシライスも
持って賑やかなリビングへ戻って行った。
私は顔の熱が冷めるまでキッチンにいたが、リビン
グに戻って速攻で、
慎「え、顔赤いけど。」
と、無駄に勘の鋭い慎くんにバレてしまうのであった。
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みそじ(プロフ) - Rさん» ありがとうございます!楽しみにしてくださってたなんて…めっちゃくちゃ嬉しいです( ; ; )次も準備中なので、もし良かったらまた遊びに来てください! (2019年6月26日 23時) (レス) id: 0885410a1b (このIDを非表示/違反報告)
みそじ(プロフ) - 諒子さん» ありがとうございます!ダラダラと長くなってしまいましたが、最後まで読んで頂いて嬉しいです^_^次も準備中なので、また読みに来てください! (2019年6月26日 23時) (レス) id: 0885410a1b (このIDを非表示/違反報告)
みそじ(プロフ) - 奏さん» 長々とお付き合い頂き、ありがとうございました!次も準備中ですので、ぜひまた読みに来てください^_^ (2019年6月26日 23時) (レス) id: 0885410a1b (このIDを非表示/違反報告)
みそじ(プロフ) - しをちゃさん» ありがとうございます!そのお言葉とても励みになります( ; ; )次も準備してますので、ぜひまた遊びに来てください! (2019年6月26日 23時) (レス) id: 0885410a1b (このIDを非表示/違反報告)
R(プロフ) - 完結おめでとうございます!毎日更新を楽しみにしていました!とても素敵な作品で大好きです!おまけも楽しみに待ってます! (2019年6月26日 3時) (レス) id: 3a12b44223 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みそじ | 作成日時:2019年6月12日 22時