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「慎くん…最後くらい
脅かさないでよ…。」
違う意味で心臓がバクバクしている。
ごめん、わざと。とクスクス笑いながら言われたの
で慎くんの腕を軽く叩く。
慎「ほんとにごめんごめん。笑 はい、これ。」
慎くんから手渡されたのは、水色の綺麗な手紙だっ
た。
「慎くんが書いてくれたの?!」
嬉しいなぁ〜なんて言ってたら、
慎「違うよ、理沙さんから。」
えっ…、理沙ちゃん…?
これ理沙ちゃんからの手紙なの?と言いながら開け
ようとしたら、
慎「待って!まだ開けないで!今日の17時になった
ら開けてって言ってた。…実は昨日、帰ってくる時
に今日Aさんに渡してほしいって渡されたん
だ。」
「そうなんだ…。わかった、ありがとう。」
私は開けそうになった手紙を持ち直す。
慎「それと…、壱馬さん不器用だから…その…、俺
からはここまでしか言えない!」
「えっと…、全然分からない意味が。笑」
いつも冷静な慎くんが、口ごもる姿がおかしくて笑
っていたら翔平くんが外から、遅い!と呼びに戻っ
てきたのでそこで別れた。
ガチャン
玄関のドアが閉まるともうそこは静かで、さっきま
でみんながいた空間とは思えない。
「終わっちゃった…。」
一人ボソッと呟いて、自室へと戻り自分も荷物を軽
くまとめる。
次の部屋が見つかるまで、とりあえず実家に帰る私。
荷物をある程度まとめたところで、おじいちゃんか
ら、おばあちゃんへのラブレターと、最初の置き手
紙の入った箱を最後にしまおうとして、なんとなく
もう一度開けてみた。
すると、壱馬くんとの思い出をたくさん思い出して
しまい、気づいたら頬に涙が伝っていた。
「あれっ…、やだなぁ〜…もう…。」
さっきの玄関でのやりとりで、最後の最後まで、壱
馬くんにはなんとも思われてなかったんだなと実感
する。
壱馬くん。
理沙ちゃんと、幸せになってね。
荷物を持って一階へ降りれば、みんなで食べたダイ
ニングテーブル、
喧嘩したりふざけあったりしたリビング、
みんなのためにと立ったキッチンが目に入る。
「ありがとうございました。」
そして私は一礼して玄関へ向かい、シェアハウスを
出た。
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みそじ(プロフ) - Rさん» ありがとうございます!楽しみにしてくださってたなんて…めっちゃくちゃ嬉しいです( ; ; )次も準備中なので、もし良かったらまた遊びに来てください! (2019年6月26日 23時) (レス) id: 0885410a1b (このIDを非表示/違反報告)
みそじ(プロフ) - 諒子さん» ありがとうございます!ダラダラと長くなってしまいましたが、最後まで読んで頂いて嬉しいです^_^次も準備中なので、また読みに来てください! (2019年6月26日 23時) (レス) id: 0885410a1b (このIDを非表示/違反報告)
みそじ(プロフ) - 奏さん» 長々とお付き合い頂き、ありがとうございました!次も準備中ですので、ぜひまた読みに来てください^_^ (2019年6月26日 23時) (レス) id: 0885410a1b (このIDを非表示/違反報告)
みそじ(プロフ) - しをちゃさん» ありがとうございます!そのお言葉とても励みになります( ; ; )次も準備してますので、ぜひまた遊びに来てください! (2019年6月26日 23時) (レス) id: 0885410a1b (このIDを非表示/違反報告)
R(プロフ) - 完結おめでとうございます!毎日更新を楽しみにしていました!とても素敵な作品で大好きです!おまけも楽しみに待ってます! (2019年6月26日 3時) (レス) id: 3a12b44223 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みそじ | 作成日時:2019年6月12日 22時