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私は玄関で、一人一人と挨拶を交わす。
元気でね、またね、って言葉が
こんなにたくさん溢れる朝は人生初めてだ。
北「じゃぁ…いってきます。」
「うん!いってらっしゃい!!」
もうこのやりとりも、最後。
夜には私含め、みんなバラバラな場所へ帰るんだ。
北「Aさん…、壱馬のこといいの?」
「それが…、口じゃ上手く伝えられないから、手紙
書いたの。」
そう、実は昨晩寝る前に私は、壱馬くんに手紙を書
いたのだ。
壱馬くんには理沙ちゃんがいる。
だからおじいちゃんみたいに、情熱的なことは書け
ないけど、感謝の気持ちを伝えたかった。
ー壱馬くんへ
壱馬くんには最初から驚かされてばかりいました。
見た目によらず洗い物をしてくれたり、食べ方が綺
麗だったり、さりげない優しさがあったり。
あと、置き手紙。
あれはとても嬉しかったです。私の男の子への偏見
をガラリと変えてくれました。
このシェアハウスは通過点です。そこにいれただけ
でも、とても幸せでした。
これからも影ながら応援しています。
壱馬くんがずっと笑顔でいれますように。
本当にありがとう。
Aー
ここだけの話、この手紙が私の精一杯のラブレター
だ。
北「ラブレターいいなぁ!」
「ちょっ!ラブレターじゃないよ!感謝の気持ち。
壱馬くんには理沙ちゃんがいるんだから。」
俺も欲しかったなぁ〜なんて言う北ちゃんに、私は
慌てて否定をしていたら、最後の一人の壱馬くんが
二階から荷物を持って降りてきた。
「あっ!壱馬くん、これ…。」
北ちゃんは空気を読んでくれたのか、静かに玄関を
出て行った。
私は咄嗟に手紙をぐぃっと、壱馬くんの顔の目の前
に差し出す。
壱「手紙?」
と、私の目の前で開けようとするから、
「ちょちょちょ!後で…一人で読んでくださ
い…。」
開けようとした手紙を、壱馬くんに押し付けながら
言えばふっと笑いながら、はいはい、元気でな。と
私の頭をポンポンして玄関を出て行ってしまった。
「え…、それだけ…?」
一人取り残された私は、ポツンと玄関で立ち尽く
す。
慎「Aさん。」
「ぅわぁあ!!」
壱馬くんが最後の一人だと思ってたのに、耳元で慎
くんの声が聞こえて腰を抜かしそうになった。
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みそじ(プロフ) - Rさん» ありがとうございます!楽しみにしてくださってたなんて…めっちゃくちゃ嬉しいです( ; ; )次も準備中なので、もし良かったらまた遊びに来てください! (2019年6月26日 23時) (レス) id: 0885410a1b (このIDを非表示/違反報告)
みそじ(プロフ) - 諒子さん» ありがとうございます!ダラダラと長くなってしまいましたが、最後まで読んで頂いて嬉しいです^_^次も準備中なので、また読みに来てください! (2019年6月26日 23時) (レス) id: 0885410a1b (このIDを非表示/違反報告)
みそじ(プロフ) - 奏さん» 長々とお付き合い頂き、ありがとうございました!次も準備中ですので、ぜひまた読みに来てください^_^ (2019年6月26日 23時) (レス) id: 0885410a1b (このIDを非表示/違反報告)
みそじ(プロフ) - しをちゃさん» ありがとうございます!そのお言葉とても励みになります( ; ; )次も準備してますので、ぜひまた遊びに来てください! (2019年6月26日 23時) (レス) id: 0885410a1b (このIDを非表示/違反報告)
R(プロフ) - 完結おめでとうございます!毎日更新を楽しみにしていました!とても素敵な作品で大好きです!おまけも楽しみに待ってます! (2019年6月26日 3時) (レス) id: 3a12b44223 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みそじ | 作成日時:2019年6月12日 22時