恋文の書き方２

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理沙ちゃん今日はすっごく楽しかったので、またぜひ会ってくださいね!





大人になってから、こうやって

新しい友達ができる機会は多くはないから素直に嬉

しくなる。







壱「顔、ニヤけてんで。」




「えっ？！うそっ？！」




私は自分の顔を両手で挟む。





壱「ニヤつくほどの良いことってなんなん。笑」



「新しい友達ができたの！」




壱「…新しい友達？」



ポカンとする壱馬くん。




「そう！年下なんだけどすっごく良い子でね！しか

も細くて可愛いの！」




壱「んだよ、そんなことかよ。笑」




そしてマグカップにまた口をつける壱馬くんの指を

見て、思い出す。






「指輪…してないの？」





壱「え？あぁ〜…まぁな。今は外してたい気分なん

や。」






ここに来たばかりの頃、ご飯食べる時も指輪してい

た壱馬くんに対して、食べづらくないのかなぁ？と

思った。




それ以来、何をしている時も指輪を必ずしているこ

とが多かったから、外していることがなんだか不自

然に見えた。





壱「なんで指輪？」


「えっ？あー…ううん、なんとなく気になっただ

け。」





今日友達になった、理沙ちゃんも同じ指輪でねって

話そうと思ってやめた。




今その指輪を壱馬くんもしてないなら、特に改めて

話題に出すこともないかなって。





壱馬くんも、ふーんなんて大して気にしてない様子

だ。






壱「で、来週の月曜オフだから空けておいて。」



「うーん、それで？…えっ？！！！」




私は家計簿から思いっきり顔を上げる。








壱「フッ。笑

来週の月曜オフ、空けておいて。二度は言わん。あ

と、そんなデカイ声出すとみんな部屋から出てくる
で。」





返事は？と聞いて来た壱馬くんがまたもキラキラと

輝きだした。






「は、はい…。」





私の返事と同時に、陣くんと北ちゃんが飛び出して

来て、階段をドタバタと降りてくる。





陣「Aさんどないした？！」


北「呼んだ？！」








壱馬くんは二人が降りきる前に、席を立ったかと思

うと、ほらな？と言い、シーッと口に指を当てて、





壱「じゃ、おやすみAさん。」









なにそれ…。





突き放されたはずなのに…。




なんでよ…。







彼の考えていることが全くわからない。

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