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ー慎ー
翔平さんから電話がかかってきた、
なんてバレバレな嘘をついて壱馬さんの部屋を出た自
分は、そのままエントランスを抜けてマンションの外
に出た。
外は冷んやりしていて身震いした瞬間、上着のポケッ
トに入れていた携帯がタイミング良く震える。
慎「はい。」
マネーお疲れ。壱馬の具合、どうよ？ー
そうだ、壱馬さんに付き添って連れて帰って来たはい
いものの、現状報告するの忘れてた。
慎「熱はまだあるみたいですけど…、でも特効薬のお
かげでなんとか大丈夫そうっす。」
マネー特効薬〜？
変なもん飲ましてないだろうな？笑ー
慎「めちゃくちゃ効く薬なんで、明日には絶対大丈夫
っすよ。」
マネー市販薬でそんな効くやつ、聞いたことないけ
ど。笑ー
「特効薬」、それは紛れもなくAさんのこと。
人一倍責任感の強くて無理をしがちな壱馬さんが、唯
一身を委ねることができるAさんが来ることによ
って、きっと回復に向けて大人しくしていてくれるだ
ろう。
それからマネージャーさんとの電話を切って、迷いに
迷ったが壱馬さんの家に戻った。
少し開いている壱馬さんの部屋からボソボソ聞こえる
二人の会話を耳にして、いきなり入るのもどうかと思
い、様子を伺う意味でもそっと中を覗くと、さっきよ
りも距離が近くなっている。
すると壱馬さんの横で寄り添うように座るAさん
が、壱馬さんの額を触るような仕草を見て、そっとド
アを閉めた。
うん、あとはAさんに任せよう。
それにただ看病するだけではなく、二人の距離が戻る
きっかけになれば…、というもう一つの作戦も成功の
ようだ。
静かに靴を履き、玄関のちょっとしたスペースに置い
ておいた壱馬さんの家の鍵をチラッと見ると、あのお
揃いのキーホルダーと目が合う。
オートロックを開ける際、本当は気付いていた。
Aさんが、これを見てすごく驚いていたのも。
壱馬さんが、これをまだ付けている意味を危うく言っ
てしまいそうになったけれど、もう二人は大丈夫。
なんとなくそんな気がしたから、敢えて言わなかっ
た。
だって最高のその時を迎える瞬間は、やっぱり二人の
口から言ってほしいから。
そこは、自分の出る幕じゃない。
慎「頼んだよ、願いを叶える妖精くん。」
返事なんてするわけないのに、そのキーホルダーに小
声でそう言って、玄関を出た。
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みそじ(プロフ) - ましゅさん» お返事遅れてしまいごめんなさい（ ; ; ）こちらこそ最後までお付き合い頂きありがとうございました！ (2021年3月22日 22時) (
レス) id: 4773dc142a (このIDを非表示/違反報告)
ましゅ - わぁー(;_;)壱馬くんsideとカリンsideありがとうございました！良かったです。改めて完結おめでとうございます☆ (2021年2月28日 22時) (レス) id: ad7747e186 (このIDを非表示/違反報告)
みそじ(プロフ) - ma9さん» お褒めのお言葉ありがとうございます！更新できるよう頑張ります！ (2021年2月12日 10時) (レス) id: 6c1fcd7cbb (このIDを非表示/違反報告)
みそじ(プロフ) - まりさん» コメント&お褒めのお言葉ありがとうございます！ (2021年2月12日 10時) (レス) id: 6c1fcd7cbb (このIDを非表示/違反報告)
ma9 - おまけストーリー面白かったです。サイドストーリー楽しみにしてます。頑張って下さい。 (2021年2月8日 22時) (レス) id: aa709fe039 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みそじ
| 作成日時：2020年10月19日 12時
