１０７ ページ7
ナミ「えっ…？」
私は混乱していて、壱馬くんからの連絡から逃げてい
たこと。
その中で、加納くんに誘われて出かけたこと。
そしてその日カリンさんに「私も壱馬くんとカリンさ
んの仲を咎めることはできない」と、指摘されてしま
ったことを全て話した。
「だからもう、私は壱馬くんの隣にいる資格は無いっ
て伝えたの…。」
ナミ「だってそれはっ…！それは別にヨッシーの励ま
したいって気持ちを汲み取って行ったわけで、下心が
あって行ったわけじゃないじゃないですか？！」
「それでも！それでも…、私は自分が許せないん
だ…。」
ナミ「Aさん…、」
「本当、人のこと言えないよね…。それに元々、壱馬
くんは私なんかと一緒になるべき人じゃなかったんだ
よ…。」
ナミ「そんなことないっ！」
私は首を横に振って微笑んだ、というより自傷気味に
微笑んだ。
「結局、歯ブラシの件も聞けずじまいだったし…。週
刊誌の件は誤解とはいえ、やっぱり本当にそういう人
がいたか、カリンさんと繋がりがあったと思う
よ…。」
ナミ「壱馬くんはそんな人じゃないって、Aさん
が一番分かってると思ってました！」
するとナミちゃんは少し涙声で、勢いよく立ち上がっ
た。
ナミ「それにっ…二人を見てると、ちょっと不器用な
時もあるけど本当に想いあってるのがよく分かった
し、カリンさんや意味不明な歯ブラシごときで壊れる
ような関係じゃないって思ってた…。それなのに
っ…、それなのにこれで終わっちゃうなんて絶対間違
ってる！！」
別れた張本人の私の前で、ボロボロと涙を流しながら
ナミちゃんは真っ赤な目だ。
ナミ「不器用にも、程があります…。」
そう小さく言ったかと思うと、小走りで部屋を出て行
く。
「ちょっ…、ナミちゃん？！」
私の引き止める声にも振り返らず、ナミちゃんは階段
を降りて行き、リビングではソファでくつろいでいた
パパが目を丸くして、その光景を見ていた。
ナミちゃん…、そんな泣くほど…。
でも私が一番、泣きたいよ…。
たくさん泣いたけど、本当はまだまだ涙は出るんだ
よ…。
壱馬くんという存在を失って変わってしまった、私の
現実。
それなのに、ナミちゃんまでこんなことになってしま
って、これ以上どうしろっていうの…。
なんでこうも、上手くいかないんだろ…。
私はその場で、大きなため息をついた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 506人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「THERAMPAGE」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
みそじ(プロフ) - なつきさん» コメントありがとうございます！最近は更新が不定期かつ遅くて申し訳ないです（ ; ; ）それでもそう言ってくださって、とても嬉しいです（ ; ; ）これからも飽きずに覗きに来てやってください（ ; ; ） (2020年10月17日 17時) (
レス) id: 413d96903d (このIDを非表示/違反報告)
なつき(プロフ) - 切ない中でも温かさを感じるこの作品が大好きです。更新されるともう嬉しくてテンション上がってます。どんどん世界観にのまれてドキドキして号泣したりしてます。 (2020年10月17日 12時) (レス) id: 27a1861531 (このIDを非表示/違反報告)
みそじ(プロフ) - ましゅさん» いつもコメントありがとうございます！じれったくてすいません（ ; ; ）でも二人の徐々に変わっていく関係を飽きずに見届けて頂けたらなと思っています（ ; ; ） (2020年10月17日 12時) (レス) id: 413d96903d (このIDを非表示/違反報告)
ましゅ - 慎くん頑張ってくれていますね！そして壱馬さんが(;_;)このタイミングで気付いてくれるなんてやっぱり忘れられないですよ(;_;)早く元さやに戻ってほしいです！！けど主人公ちゃん体調大丈夫ですかね、、 (2020年10月13日 22時) (レス) id: ad7747e186 (このIDを非表示/違反報告)
みそじ(プロフ) - 律さん» お返事遅くなってしまいごめんなさい（ ; ; ）もどかしい感覚を味わって頂けて嬉しいです！更新は遅いは、まだ展開が続きますが、飽きずに覗きに来てやってください（ ; ; ） (2020年10月13日 11時) (レス) id: 413d96903d (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：みそじ
| 作成日時：2020年8月1日 11時
