nostalgic ２

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女の子の歓声ってテレビや

人の話では聞いたことがあったけれど、

こんなにも凄いというか…感じたことの

ない感覚になる。





照明が暗くなり、彼等が登場した時には歓声は最高超

に。





どこだろう…。



目を細め、首を長くして１６人の男の人を見ていた

ら、それは聞こえる。






あ…、この声…。




壱馬くんだ…。





歌い出しは壱馬くんだったようで、低く特徴のある声

はあの時、会話をしていた声とはまた違ったけれどす

ぐに分かった。






そして彼らの後ろにある大きなスクリーンに彼の顔が

映し出された時、私は息を飲む。




「っ…！」






何年も忘れられなかった彼は、北人くん同様に大人の

男性になっていて、同じ人なのに違う人みたいで。






諦めなきゃいけないはずなのに、それに矛盾して胸は

高鳴る一方。



だから、私は自分の胸の辺りの洋服をキュッと掴ん

だ。






それから彼等がステージから手を振りながら消えて行

く終演までは、あっという間だった。





私はストンッと席に座り、会場を出ようとする人や私

と同じくこの場に留まる人のうねりを、ボーッと眺め

る。






彼の存在は大前提だけれども、このグループに魅力さ

れ引き込まれ、時間を忘れるということを久しぶりに

体感できた気がする。





でも…もうこれは、完全にお門違い。




住む世界、生きる世界が違いすぎる。





私と彼は大きな壁によって、お互いが完全に見えなく

なった証拠。







よーっし！諦めたぞ〜！



なんて正直まだ直後すぎて思えないけど、でも確実に

言えるのは少しスッキリというか…、目処がついたよ

うな感じ。







「大丈夫…、前に進める。」





奥底から湧いてくる少しの自信が無くならないうちに

と、荷物をまとめて少し勢いをつけて立ち上がった瞬

間、




スタッフ「すいませんすいません！ちょっといいです

か？！」



「っ？！」




スタッフと思われる男の人が、どこからともなく勢い

よくやって来て、両手を広げて待ったのポーズ。





私はというと鞄の取手を握りしめ、息を整えるスタ

ッフの方を覗き込んだ。





「あの…？」



スタッフ「あっ…突然すいません！ちょっとお時間い

いですか？手続きをして頂きたいものがございまし

て…。」




「手続き…？」

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