nostalgic ２

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お互いが若かったあの頃から

少し大人になった今も変わったようで

変わらなかった壱馬くんの一つ一つのら

表情や仕草が走馬灯のように頭をよぎる。





壱馬くん…、どうしたらいい…？



壱馬くんだったら…、なんて言ってくれるかな？






ベットで仰向けになっていた体勢を変えたその時、ロ

ーテーブルの上に置いてある自分への東京土産が目に

入る。




小さな山になったお土産。


その下に少しだけ顔を出している一枚のチラシには

「マルシェ」と、大々的なロゴが。




マルシェ…、なんだっけこれ？





ムクッと起き上がり、おもむろにその紙を手に取る。






あぁ、そうだ…。


ユズとウィンドウショッピングをしてる時に配ってた

んだ…。




そのチラシには地元の野菜や、手作りの〇〇！などの

ワードがたくさん書いてあり、見る人の興味をそそ

る。





地元の野菜って…、東京に畑なんてあったんだ。






って、そんなことはどうでもよくて…と、そのチラシ

を丸めてゴミ箱に投げようとした瞬間、ピンッとひら

めきが起こり、私は慌ててそのチラシを広げた。









他人からみたら、短くて小さな思い出かもしれない。





だけど…私はあなたと笑い合い、抱きしめてくれたあ

の場所に続く道である商店街と、やっと見つけたやり

たいことが詰まったここを…、失いたくない。






壱ー大丈夫や、Aなら絶対大丈夫ー





進路で悩んでいたあの時、抱きしめながらそう私に言

ってくれた壱馬くんの言葉がふっと出てきて、私の心

は不思議と軽くなる。







壱馬くん私…、やってみるよ。



ここを…、絶対守ってみせる。









二、三日後、私はまたあの集会所で多くの人の前に立

っていた。





「今日はお忙しい中、お集まり頂きありがとうござい

ます！」




軽く下げた頭を上げると、ここら少し離れた場所に座

る不安そうな顔のお父さんとタカシさんと目が合う。





「えっと…、今日はみなさんに一つ提案があってお集

まり頂きました。お手元の資料をご覧ください。」




それと同時に、ガサガサと紙の摩擦し合う音が響き渡

った後、





店主１「マルシェ〜？」

店主２「マルシェってなんだ？」




今度はザワザワと戸惑いの声に、部屋が占領されてい

く。






大丈夫…、私なら大丈夫…。



私は軽く深呼吸をするように息をしてから、口を開い

た。

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