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壱「だから俺のこと、
諦めんといて。」
壱馬くんはそう言って、今度は真正面から私を抱きし
めた。
「ちょっ…！」
壱「北にずっと言われてたんや。Aを守れる自信
が無くても、早く会いに行けって。」
北人くん…そんなこと言ってくれてたんだ…。
壱「でも…Aの顔見たら、守れる守れないなんて
どうでも良くなった。これから守っていけばいい、そ
れで良かったんやな。」
「壱馬くん…。」
すると、ゆっくりと身体を離されて見つめ合う私た
ち。
髪型や容姿は変わっても、漆黒の彼の目は相変わらず
真っ直ぐで私を捕らえて離さない。
そして壱馬くんの顔がゆっくりと近づいて来て、優し
く口づけをされた。
更にそれはどんどん深くなり、私も受け入れる。
それからは失った何年もの時間を埋めるかのように、
お互いを求め満たした。
満たした…はずだったけれど…、
高級感のあるベットの中で気怠い感覚の中、目を開け
ると一番に視界に入って来た私の好きな人。
壱馬くんは器用に私に腕枕をしたまま、スースーと規
則的な寝息で目を瞑っている。
本来なら愛しい時間のはずなのに、なんで涙が出るん
だろう…。
たぶんきっとそれは…、私の気持ちの問題。
壱馬くんは私とのこれからを、前向きな言葉で言って
くれた。
だけど…彼は芸能人。
方や私は、田舎者の一般人。
守れる、守れないのリスクを壱馬くんに背負わせてま
で私は欲張っていいの…？
もしも…、と色々なパターンの最悪なケースを考えた
ら、私の存在は彼にとって重荷になる。
大好きな人に、そんなことをさせたくない。
大好きな人の夢を、途絶えさせたくない。
「…愛してます…。」
涙が伝った口で、人生で最初で最後であろうその言葉
を囁いてから、私はするりと壱馬くんの腕から抜け出
した。
さようなら、壱馬くん。
過去も未来も…、ずっと愛してます。
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みそじ(プロフ) - 吉 野 み ゆさん» コメントありがとうございます！キューピットからの想いをはせる切ない系でしたね(^^)今、新しいストーリー準備中なので気長にお待ち頂けると幸いです（ ; ; ） (2020年4月8日 12時) (
レス) id: c7b35b47f5 (このIDを非表示/違反報告)
吉 野 み ゆ - とても面白かったです！北ちゃんが想いを抱えているとは、、北ちゃんキューピットですね笑新しいstoryが恋愛が見たいですれ (2020年4月7日 12時) (レス) id: 9f418f690e (このIDを非表示/違反報告)
みそじ(プロフ) - ましゅさん» いつもコメントありがとうございます！同じようなストーリーばかりなのに、大好きだなんて恐縮です（ ; ; ）また更新することがありましたら、暇つぶしにでも覗きに来て下さい（ ; ; ） (2020年4月1日 8時) (レス) id: c7b35b47f5 (このIDを非表示/違反報告)
ましゅ - 完結お疲れ様でした！2人今度こそ想いが通じ合って一緒になれて良かったです(;_;)北人くんキューピットだったけどまさかそんな想いを抱えていたとは…みそじさんのお話本当に大好きです。終わり方もみそじさんらしくて好きです(*^^) (2020年3月31日 15時) (レス) id: ad7747e186 (このIDを非表示/違反報告)
みそじ(プロフ) - ハナさん» コメント＆更新遅いにも関わらず最後までお付き合い頂きありがとうございます（ ; ; ）最後は小さな衝撃を残したかったのでハナさんのようなリアクションをとって頂き大変嬉しく思います！笑 また新作など更新することがありましたら覗きに来て下さい^_^ (2020年3月31日 8時) (レス) id: c7b35b47f5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みそじ
| 作成日時：2020年2月4日 22時
