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ユズ「なーんか、ひっかかるなぁ。」



「ひっかかる…?」





ユズはまた歩き出したので、私は慌ててついて行く。





ユズ「そっ!俺との時間を忘れないでって言っておい

て、急にそんな突き放すようなことするのかなぁ?っ

て。そこがなんか、引っかかる。」






私もその矛盾はよく分からないし、納得してない

よ…。






だけど私がどんなに嘆いても、彼はもう来ない。






もう会えないし、会うこともきっとない。






そしてその事実は、変えられない。








「もうこの話しやめよ!ひとときの夢を見せてもらっ

たとでも思って、良い思い出にするよ!」





ユズ「えぇ〜?!本当にそれでいいのっ?!」






私は腕を掴んで揺すって来る親友の手を引き、





「いいのいいの!

あっ、そうだ!約束のコンビニのアイス行こ!」




ユズ「えっ?!今ぁ?!」





一緒に帰れなかった時期にした約束を思い出して、私

たちは湿った空気の中、コンビニへ急いだ。









本当は全然良くない。





良い思い出になんて、当分できそうにない。






だけど誰かにこうやって言わないと、やってられなか

った。




まるで自分に言い聞かせるように…。









「ただいまぁ〜…。」




リビングに入ると台所ではお母さんが洗い物をしてい

て、お店が定休日のお父さんはソファに座り、テレビ

を見ていた。





そんなお母さんは、せかせかと動く手を止めずにこち

らをチラッと見て、




母「あっ、おかえり!」




お父さんは座りながら顔だけこちらに向けて、一言。



父「おう。」







私はというと、洗面所で手を洗ってからダイニングテ

ーブルに座り、二人の姿をチラチラと盗み見た。






よし…今、言おう。






「あのさっ!」





勇気を出して振り絞った声は意外と大きくて、ビック

リした顔の二人と目が合う。







「進路の…ことなんだけど…。」





母「進路?」




お母さんはエプロンで手を拭きながら、私の斜め向か

いに立った。








「うん…。私、製菓の専門学校行きたいの。」






言った…、言ったぞ。




だけど二人の反応が怖くて、喉はカラカラになる。









そう…。




壱馬くんがかけてくれた言葉の意味を考えた末、私の

出した答えは…、








お父さんとお母さんのためになることだった。

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作品ジャンル:恋愛
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みそじ(プロフ) - みーさん» コメントありがとうございます!だらだらと長くなっていますが最後までお付き合い頂けると嬉しいです( ; ; )その後のストーリーも検討しておきますね! (2020年2月5日 11時) (レス) id: caa215b4c7 (このIDを非表示/違反報告)
みー(プロフ) - すごく素敵なストーリーですね!更新を楽しみにしています!付き合うまでの過程も面白いですが、その後のストーリーとかもあって欲しいなって思います(^^) (2020年2月4日 23時) (レス) id: 2e81ed1e8d (このIDを非表示/違反報告)
みそじ(プロフ) - ましゅさん» コメントありがとうございます!切ない気持ちになって頂けるのが狙いだったので良かったです!笑 更新遅いですが今後の展開はお楽しみでお願いします( ; ; ) (2020年1月15日 19時) (レス) id: caa215b4c7 (このIDを非表示/違反報告)
ましゅ - ふじおくんとつかさくんの優しさ…主人公ちゃん自分の気持ちに気付いたのに切ないです(;_;)(;_;)もう会えないのかな?(;_;) (2020年1月14日 15時) (レス) id: ad7747e186 (このIDを非表示/違反報告)
みそじ(プロフ) - KKさん» コメントありがとうございます!更新遅くてごめんなさい( ; ; )そのお言葉、励みになります! (2020年1月7日 12時) (レス) id: caa215b4c7 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:みそじ | 作成日時:2019年12月28日 15時

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