nostalgic

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ジメジメジメジメ。



春が過ぎたと思ったら、もう雨の季節。





どんよりとした空模様を教室の窓からボーッと眺めて

いた時、チャイムが鳴り響く。







先生「それじゃぁ今配った進路調査書、今週までに出

すように！」






担任の先生の声と共にガヤガヤ、ガタガタと音を立て

てみんながいっせいに立ち上がったり、荷物をまとめ

たり。








私も帰り支度を始めようと、その紙を適当に折って鞄

に詰め込んだ瞬間、





ユズ「A〜！帰ろっ！！」





同じクラスで親友のユズが、小走りで私の視界に入っ

て来る。





「うん、帰ろ。」





私はニッコリと彼女に微笑んでから、席を立った。









ユズ「梅雨が来るね〜。」




正門を出て、灰色の空を見上げならユズは呟く。





「髪はうねるし広がるし、靴も靴下も濡れる。ほんと

なんにも良いこと無い季節だよね。」






二人して、はぁ〜とため息。






ユズ「あっ！そういえば、駅前に新しいコンビニでき

たって〜。昨日お兄ちゃんが言ってた。」






「コンビニ？そうなんだ…。コンビニじゃなくてタピ

オカとかオシャレなカフェとかできないかなぁ…。」





ユズ「分かる〜！駅前にできたら毎日通っちゃう！」









綺麗でオシャレな内装の中、美味しいパンケーキと流

行りのタピオカを飲みながら学校のことや好きな人の

話しで盛り上がるの。




映えな写真もたくさん載せて、いいね！がたくさんつ

いたり。









私たちは田舎道を歩きながら、二人して「最高じゃー

ん！」とキャッキャッしながら家路についた。









「ただいまぁ〜。」




家の玄関でローファーを脱いだ瞬間、慌ただしく奥の

部屋からエプロンで手を拭きながら何かを手に持った

お母さんが出てきた。





母「おかえり！帰ってきて早々に悪いけどお父さんの

所にこれ持って行ってくれる？」




「えぇー？！なんでよー…。」





母「なんでも！はいっ、これお願いね！」





お母さんはそう言って、無理矢理私に紙袋を手渡し

た。




「ちょっ！ちょっと？！お母さん？！」

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