それは紙一重 (ページ26)

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カナ「あのっ、

みなさんはどうなんですか？彼女とか…。」

上目遣いの上手なカナちゃん。

力「俺ら？俺らは今、全員フリー！」

リッキーが、ねっ？！と周りを見渡せばメンバー全員

は、うんうんと頷いていた。

カナ「えっ、Aさんもですかぁ？」

「えっ？！」

今まで蚊帳の外感があったのに、急に話をふられて口

に入れようとしたお肉を落としそうになった。

そういえば忙しかったのもあり、みんなにもまだ別れ

たって言ってなかったな…。

この際、良い機会かもしれない。

「わっ、私はっ…、」

竜「あー、Aはいるんだよ！」

「えっ？！！」

私の代わりに答える隣の竜太を見れば、ニカッとした

笑顔で、なっ？！と言った。

「いやっ…、」

カナ「そうなんですかぁ？！これからクリスマスもあ

るし、寂しくなくて良いですねぇ～！」

否定する間も無く、今度はカナちゃんがキャッキャッ

と手を叩いて言うので今更、別れたんですと言いづら

くなってしまった。

「まっ、まぁね…。」

力「それよりさ、カナちゃんてどんな人がタイプな

ん？！」

どんどん身を乗り出して、グイグイいくリッキー…

「それよりも」とか言いやがって、明日覚えとけ

よ～！！

カナ「タイプですかぁ～？実は…、嘉将くんみたいな

人がすっごくタイプなんです…。」

嘉「えっ…俺っ？」

チラッチラッと隣の嘉くんを見て、恥ずかしそうに言

う彼女の顔はとても妖艶だ。

力「えー！！ヨッシーかよ～！！」

竜「やっぱりな。笑」

将「ヨッシーやったじゃん！」

未「お似合いかもね。」

流、利「「うんうん。(もぐもぐ)」」

ほんとお似合い…。

周りから冷やかされて、少し照れ臭そうにしている二

人は絵に描いたような二人だよ…。

私は目の前のビールジョッキを勢いよく掴み、ゴクゴ

クと飲み込んだ。

もうこの際、やけ酒だ！やけ酒！！

竜「ちょっ…！Aどうした？！そんないっきに飲

んだら酔い回るぞ？！」

「プハーッ！今日はカナちゃんの歓迎会なんでし

ょ？！飲もうじゃないの！明日は集合時間も遅いし

さ！！」

竜「いやっ、でもそんなピッチ上げたら…、」

いいの、もう。

やっぱり私に次の恋は、早すぎたんだよ…。

お酒と一緒にこの気持ちも飲み込んで、蒸発しちゃえ

ばいいんだ…。