それは紙一重 (ページ25)

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竜「それじゃ～、カナちゃんの

仲間入りを祝って～…かんぱーい！！」

バリ「「「うぇ～い！！」」」

「乾杯…。」

カナ「ありがとうございまぁ～す！」

あれから私たちは、行きつけの個室のある焼肉屋さん

に来たんだけど…、カナちゃんはちゃっかり嘉くんの

隣をキープ！！で、私の隣は虚しい壁とおしゃべり竜

太だ。

チラッと嘉くんを見れば、必然的にカナちゃんも視界

に入るわけで、二人は一つのメニューを覗き込んでい

る。

だめだ…、食欲沸かないわ…。

ビールを少し口につけてから小さくため息をつくと、

竜「Aがため息なんて、お疲れだなっ。」

ぷはーっ！と竜太が飲んだビールのグラスを置いて、

こっちを見た。

疲れてはいるけど、そのため息じゃないもん…。

とは言えないので、

「ま、まぁね…。」

竜「そういう時は、肉だ肉！！」

竜太は、焼けたお肉をどんどこ私のお皿に入れてく

る。

「ちょっ！今日はあんまり食欲無いから…。」

竜「え、腹でも壊した？」

真面目な顔で言ってくるこの人の気遣いは、時に直球

すぎて…。

「ちっ、違うから！てか、女の子にそんなこと言うの

デリカシーないからね？！」

手元にあったおしぼりで竜太をポカポカ叩けば、元気

あんじゃんかよ！と、反撃されてしまった。

未「またあの二人やってるよ。笑」

将「ほんと仲良いよね。笑」

嘉「…。」

力「ねぇっ！カナちゃんて、彼氏とかいたりする

ん？！」

その時、嘉くんと同じくカナちゃんの隣に座っていた

リッキーの通った声に、みんなが注目する。

こっちにも直球な奴がいたー！！汗

こんな可愛い子だもん、いるでしょうよ彼氏くらい。

それもカッコイイ彼氏が…。

なんだか聞きたいような、聞きたくないような…。

だけど私のそんな願いも虚しく、カナちゃんは自分の

髪の毛をくるくると触りながら、

カナ「実は…最近別れて、今はいないんですっ。」

まさかのフリーかー！！泣

心の中ではガックシと肩を落とす私とは正反対に、嬉

しいくせに、そうなんや～と、平然を装ってニヤニヤ

しているリッキーを冷たい目で見た。

けっ…。

カナちゃんがフリーだと分かった瞬間、みんな心なし

か鼻の下伸ばしちゃってさ…。

あれ…？

私って今、ここにいる意味ある…？