それは紙一重 (ページ24)

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手に持つビニール袋を見つめながら、

私はブツブツと言う。

そんなのご法度だから…。

アオイ「Aがプライベートな感情持ち込んで利用

してほしいって言う奴じゃないことくらい、分かって

るわよ。」

「アオイさぁ～ん！泣」

アオイさんに抱きついて、泣くな泣くな！と頭をポン

ポンされていた時、楽屋の出入り口から噂のカナちゃ

んの笑い声と、メンバーの笑い声が聞こえて賑やかに

なる。

げ…！来た…！！

その瞬間、少し体が強張るのが分かった。

アオイ「ずいぶんと仲良さそうじゃない？」

力「みんなで飲み物買いに行ったら、たまたまそこで

会ったんすよ～。ねっ？カナちゃん！」

リッキー、目が完全にハートだわ…。

カナ「そうなんです～！飲み物奢ってもらっちゃいま

したっ。」

みんなの輪の中、真ん中でこれまた可愛らしいホット

ミルクティーを両手で持った笑顔が眩しい。

私なんか、選ぶなら缶コーヒーだわ！

サラリーマンのおじさんかって！

竜「そんでさ、急遽だけど今日これからカナちゃんの

歓迎会みたいなんやろうかって話しになって…A

とアオイさんも行かない？」

「えっ…、」

カナちゃんは次の候補が見つかるまでの繋ぎのはずじ

ゃ…？

行きたくない…、どうせ嫌な思いするんだもん…。

そんな真っ黒な感情が、私に拒絶反応を生み出す。

アオイ「へぇ～。あたしは行けないけど、Aは行

くって。」

「はっ？！！」

隣に立つアオイさんを勢いよく見れば、行ってこいと

顎で指示される。

いやいや！今さっきいつでも私の見方って言ってくれ

たじゃないですかー？！

カナ「え～ほんとですか～？女子一人だと心細かった

から、すごい嬉しい～！」

う…、それは本心なんでしょうか…？

まったく彼女の心が読み取れない。

う～…と、唸ってすぐに返事できずにいたら、

嘉「行こうよ、A。」

それまで黙っていた嘉くんが、私に呼びかけた。

嘉くんにそれ言われたら…行くしかないでしょ～。泣

「行きます！！」

もう私はほぼヤケクソ状態で、勢いよく返事をすれば

ニッコリと笑う嘉くんの笑顔が視界に入って、心臓が

やられた。