それは紙一重 (ページ19)

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「おっ…おは、」
？「おはようございま～す！」

「のわっ！！」

その瞬間、ドンッと軽く後ろから衝撃があり、私はよ

ろけた拍子に膝から床に倒れ込む。

「…いったぁ～…。」

将「どしたん？笑」

力「何が起きてそうなんのよ。笑」

未「何もないとこでコケる人、久しぶりに見た気がす

る。笑」

利「大丈夫～？」

竜「あはははっ！さすがAっ！笑」

流「来てそうそう何事？」

荷物を置きながら、心配してんだかなんなんだかなリ

アクションのみんなに反して、最後に入って来た嘉く

んが苦笑いで、手を差し出してくれた。

嘉「大丈夫？」

「嘉くん…、」

「好き」と気付いてしまったからか、指先までキラキ

ラと輝くその手をつかもうとした瞬間またも、

女「大丈夫ですかぁ～？」

私と嘉くんの間に入り、見下ろす知らない女の子。

「っ！！」

それによって必然的に私も嘉くんも、手を元の位置へ

戻してしまう。

この子…誰なの？！

もうこの際いいや、と諦めてパンパンと自分の膝の

汚れを軽く取りながら、立ち上がる。

「だっ、大丈夫…です。あの…？」

と、自己紹介を促せばオシャレで少しセクシーさのあ

るロングスカートをヒラヒラさせて、

？「あっ！今日からこちらでヘアメイクのサポートで

来まして…、」

アオイ「あ、いたいた。カナ、勝手に動かない！」

その時、楽屋から席を外したと思っていたアオイさん

が、少し困った顔で近寄って来た。

「カ…ナ…？」

私含め、メンバーもキョトンとした顔。

アオイ「後で紹介しようと思ってたんだけど…、実は

一人急に辞めちゃってさ。次の候補が見つかるまでの

繋ぎで、今日からヘアメイクのサポートで来てくれた

後輩のカナ。」

カナ「今までは、E-girlsの方でヘアメイクのサポート

してましたっ！今日からよろしくお願いしまぁす！」

な、なるほどね…。

どうりで初っ端から、場慣れしてる感じがあったわけ

だ。

こちらも、それぞれが自己紹介をして頭を下げる。

だけど、どことなくみんなの様子がおかしい。

ソワソワというか、変にクールぶっちゃって。

たぶんそれは、目の前にいるカナちゃんがピチピチに

若くて、可愛いからだってすぐに気づいた。