３０ ページ30
店員「ありがとうございました〜。」
ここはテイクアウト専門のアイスクリーム屋さんだ
ったようで、私たちはコーンに乗った少し溶け始め
てるアイス片手に、近くにあった公園のベンチに座る。
北「日陰でラッキー。」
「なんでアイス？」
とりあえず疑問に思ったことを聞いてみた。
こんなの、私じゃなくても誰でも良かったのでは？
北「えっ？Aさんを元気付けるためだよ。」
「そっ、そっか、ありがとう。」
どんどん溶け出すアイスをスプーンですくったりし
て、お互い顔も見ず会話を続ける。
北「壱馬のこと、気にしなくていいからね。Aさ
んは悪くないから。」
壱馬くんの名前がいきなり出て、胸が嫌にドキリと
する。
「いやっ、あれは…、
北「Aさんには笑っていてほしいんだ。」
今までアイスばかりでこっちを見なかったくせに、
北ちゃんは急にこっちを真っ直ぐな目で見てくる。
だけどすぐに、そっちも味見させて〜と私のアイス
にスプーンを刺してきて、そっちの方が美味しいだ
の、そっちにすれば良かっただの言っている。
北ちゃんの作り出す、無理に相手に強要させない空
気が刺々しい私の心を安心させ、北ちゃんになら…
と口を開いた。
「私ね、みんなと住む前…男の人が嫌いだった
の。」
北「うん。」
また、おちゃらけていた空気から急に真剣モードに
切り替わる彼はすごいと思う。
「学生の頃、男の子って容姿ばっかり好きになる、
しょうもない存在だっていう思い出しかなくて。
だからみんなと住むのも本当は自信もなかったし…
言い方ひどいかもしれないけど…嫌だったの。」
「…だけど容姿だけで判断しないで、北ちゃんとか
陣くんとかみんな優しく迎え入れてくれて、なんか
男の子の印象が少し変わったよ。」
北「俺、Aさんにとっての男の印象ってやつ、も
っともっと変えてみせるから。」
北ちゃんのアイスは今にも、手につきそうなくらい
溶けているのに、食べずにこっちを真っ直ぐ見てくる。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 461人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
みそじ(プロフ) - りりさん» コメントありがとうございます！楽しんで頂けて良かったです！ぜひこれからも遊びに来てください^ ^ (2019年6月8日 11時) (
レス) id: e9f0c68380 (このIDを非表示/違反報告)
りり(プロフ) - 面白いです！続き楽しみにしてます！☆更新頑張ってください！ (2019年6月8日 6時) (レス) id: 399774dd20 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：みそじ
| 作成日時：2019年5月27日 10時
