検索窓
今日:5 hit、昨日:5 hit、合計:1,296 hit

4 買い物 ページ4

段ボールを片っ端から開けていく。
「ねえ、何でここの引っ越し会社のマークってトマトなの?」
「知らねぇ。いいから手ぇ動かせ。」
(意味深…。)
 嫌好はそんな卑猥な事を考えながら、荷物を片づけていく。
「あー、禊のパンツが混じってた。じゃあこれはタンスの隙間に…。」
「オイゴラ、何しとんじゃボゲェ。」
「キャー。」
 禊は嫌好の頬を左右に引っ張る。
「痛い…。」
 嫌好は赤くなった頬を撫でる。
「これが終わったら、国道トコのショッピングモールで買い物するぞ。」
「マジ!?」
 嫌好の目が輝く。
「何考えてんだよお前怖いよ…。」
 全ての荷物が片付き、段ボールを畳んで家の裏に縛って置く。
「よし、じゃあ行くか。お昼は向こうで買うか。」
「飲茶…!」
「あそこのは高いからダメ。ワクドナルドの100円バーガーな。」
「ぶー!」
「いや、スーパーのパンなら50円で…。」
(ケチだよな…。)
「経済的って言え。」
「何で分かったの。」
 二人は車に乗る。
「車なんていつ買ったの。」
「もらった。免許は取り立て。」
 車をショッピングモールに向かって走らせる。
 20分程で着く。
「ねえ、何買うの?」
「日用品。雑貨。」
 嫌好は一足先に居る禊を小走りで追いかけ、左腕をつかむ。
「…んだよ。」
 目を逸らして、手をつなぐ。
「…店ん中入ったら、離れろよ。」
「嫌だ。」
「周りの目を見ろ!」
「周りなんて知らない。」
 禊が恐ろしい顔をする。
「顔www」
 嫌好はつないだ手を見て、満足げな顔をする。
 モールの自動ドアが開く。禊はつないだ手を離そうと振ったりするが、なかなか取れず諦める。
「ここ?」
「うん。気に入ってる雑貨屋さん。」
「なんか…殺風景?柄が全然無い…。」
「Simple is the bestって言え。」
 禊は思いっきり手を振り、嫌好の手がようやく離れる。嫌好は渋々禊の服の裾をつかむ。
「あ、期間限定の。これ新商品じゃん。」
「ねえ、これは?」
「それはおまっ…。」
 嫌好が持ってきた物に禊は言葉が詰まる。
「…もうやらないからいらない。」
「何で!?」
「やめろ。レジでそういう風にみられる。」
「だってそういう関係じゃん…。」
「いいから返してこい!」
 嫌好は怒られた猫のように落ち込む。
「本当にやらないの?」
「やらない。嫌だ。」
「何で?」
「とにかく。」
「キスも?」
「…。」
 禊はしかめっ面だが、少し赤くなって、
「…キスくらいは、構わない。」
 嫌好の顔が明るくなる。

5 隠れて…。→←3 寝起き



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (1 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
設定タグ:腐ってる , もしも… , 楔荘シリーズ , オリジナル作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:聖 永遠/作者 字 | 作成日時:2016年5月1日 4時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。