15 コスとビール ページ15
コミケも終わり近く、空が朱い。
「あとちょっとだー！」
「速く着替えたい…。」
十字架の小道具に寄りかかる禊。
「ようし、ここから最後だから、ちょっとサービスしますかなぁ…フッフッフ！」
円香は後ろから抱き付き、禊の内腿に手を入れる。
「!?」
「死神×聖女〜。イェーイ。」
カメラのシャッターのテンポが速くなる。
「まﾞどかぁﾞぁぁ!!」
「そんな顔しない…の。」
手をもぞもぞ動かす。
「バ…っ！どこ触ってｎ…！」
円香が耳を舐める。
「ひぁ…っ！」
「やっぱりぃ。禊敏感肌だねぇｗｗｗ」
「…んのゾンビが！」
「ほら、見てみぃ。嫌好が涎垂らして見てるよぉ？」
「ぜってぇ後で仕返ししたるわおめぇら！」
嫌好がスマホのカメラを回す。
「嫌好、ちゃんと取れてる？」
「大丈夫。」
「後でそれ送って。」
「了解。」
フランがスーツケースを引いて帰ってくる。
「ただいまぁお嬢。」
「お帰り。どうだった？」
「予備も売れちゃった。いやー、お札の扇子が出来ちゃうよ〜。」
「金に溺れてる…。」
フランが禊と円香に気付いて、高速でカメラを構える。
「禊ぃぃぃぃぃ!!」
「ここにもいましたか…。」
健良がテントを畳み始める。
コミケも終わり、人々が帰っていく。
「よぉし！今日は私ん家で打ち上げだぁぁ！」
円香が拳をあげる。
「待ってましたわ、お姉様ぁ！」
「つ、疲れた…。」
「はーい、車に乗ってー。」
「禊、運転する体力あるか？」
禊が首を横に振る。
「しかたねーあるな。」
「杏仁、運転出来ますか？」
「おうよ！」
一同は円香の家に着く。
「ただいまー。」
円香の家で働く中富が出てくる。
「円香様！こんな時間まで何してたんですか！お父様に怒られますよ!?」
「知らねぇあんな糞ジジイ。」
「ジジイ!?」
「そんなことより、ビールある？」
「皆さんの分はありますけど、円香様の分はありません。」
「はぁ!?」
「ご自分で買ってください。」
「ちょ…！」
「みなさん、どうぞこちらへ。」
大広間に案内される。
「こんなことがあろうかと、前もって簡単ながら用意しておきました。」
「ありがとうございます、中富さん。」
健良が深々と頭を下げる。
「かんぱーい！」
机の上でビールジョッキが幾つかぶつかる。
「円香、早く着替えたい…。」
「えー、ダメ。家帰るまでダメ。服返さない。」
「禊ー、こっちおいでー。」
「もうイヤ…。」
「禊、元気出して。」
琉子が禊を慰める。
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作者名：聖 永遠/作者 字 | 作成日時：2016年5月1日 4時
