14 コスプレ ページ14
嫌好は禊に電話を掛ける。
「…もしもし、禊。今どこに…。」
『はろはろー。あっしあっし、琉子だおー♪』
嫌好は急いで電話を切る。
するとまた掛かってきた。
『ちょ、急に切るとかひどすぎ！バカ！』
「うるせえ、乳が。」
『人をウシかなんかみたいに言わないで。』
「禊を出せ。」
『禊は仕事中。会いたいなら今から言うトコに来なさい。』
琉子に言われた通り、嫌好はその場所に行った。
「へっへーｗどうよ！」
「流石です。」
健良が拍手する。
「縁ちゃんコスは簡単だからね！メイクが大変だけど…。」
「でっけえ乳。」
琉子が杏仁の鳩尾をどつく。
「円香は？」
「何か？」
「!?」
「おー、イケメン。」
「声もちゃんと変えてあるからな。」
「流石ですわッお姉様！」
「琉子、君は縁ちゃんだろう？もっとおしとやかに居なければ。」
「はい、お姉様！」
「…ところで何のコス？」
「死神。涼太の戦闘モード。」
「あー、あれか…。」
「禊は？」
「それが、中々テントから出てくれなくて…。」
嫌好が現れる。
「おー、嫌好。こっち！」
琉子を見た嫌好が健良の後ろに隠れる。
「嫌好、琉子ですよ。コスプレしてるから別人に見えますが、ちゃんと貴方の知る人間ですよ。」
琉子が自慢げにほほ笑む。
「…禊は？」
「今出してくる。」
円香がテントに入る。テントが大きく左右に動く。
「禊可愛いよ可愛い可愛い可愛い!!ハァハァ写真撮らせて写真！あーもう我慢できない！いただきまーす!!」
「キャーーーーー！」
テントから円香と白いものが飛び出す。
「だから嫌だって言ったのに！」
「ほらほら、お姫様。王子様が見てますぜ。」
禊は振り向いて、目を見張る。
「禊…綺麗…。」
「やめてくれ。マジで。俺は美しくなんかない。」
禊は本気で嫌な顔をする。
「着替える！」
「おっとぅ！逃がさないぜ。」
「円香！離せ！」
「健良、あれは何のコス？」
「ニーアですね。作者さんの。」
「え。」
「でもニーアは女の子…。」
琉子は真顔で写真を撮る。
「…ええわぁ。」
「ですよね。」
「円香、本当お願い！足がスース―して寒い！」
「大丈夫〜今日最高気温27度〜。」
「違う！俺の身が危険なの！」
嫌好は後ろから禊を抱きしめる。
「け、嫌好…!?」
禊は襲われるかと思い、目をグッとつぶるが、
「…可愛い。」
「う…？」
(襲われない…？)
嫌好は禊をお姫様抱っこして、
「…持ち帰っていいか、円香？」
「構わん。」
「円香ぁ〜!!」
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作者名：聖 永遠/作者 字 | 作成日時：2016年5月1日 4時
